第四話 「N/S(国家の盾)」
「Ах, черт...Глаза до
сих пор болят
(あ~、チクショウ...っ
まだ目が痛てえぜ・・・)」
"ガタッ ガタッ"
「(Зондирование сонарные
электромагнитные
волны и измерения
звуковых волн в этом
месте не имеют
смысла…)
(センシングや、ソナーによる電磁波、
音波の計測も、あの"場所"には
意味が無い....)」
「Что ты все еще
смотришь на
результаты измерений
этого камня?
(・・・何だ、まだあの
"岩"の測定結果を見てるのか?)」
「Джучи,
(ジュチ・・・)」
Абсолютная-Ø、冷却棟。
「Кажется И ушел глубоко
в ту скалу в месте
называемом Замкнутым
Миром, но...
(どうやらИ(イー=ツベフォフ)の方は、
この先、閉ざされた世界、と呼ばれる場所で
あの岩肌の奥へと入り込んだみたいだが...)」
「...фуу
(・・・フウー)」
"スッ"
冷却棟内 この冷たく、日の差さない地下施設
Абсолютная-Øの
更に奥深くの場所に空いた、
まるで地上まで繋っているかと思わせる様な、
巨大な縦穴の中に建造された
永久凍土の生物の遺骸や情報が保管されている
建物内の一角にある"研査室"と呼ばれる場所で、
レベデワが様々な薬品棚や、
研究用の器具が置かれた部屋の
中央付近にいくつか並べられた
素地柄(そじがら)の装飾の無い机の上に置かれた
ノート型のパソコンを眺めていると、
自分の後ろから同じくN/Sに準ずる
党志である、コードネーム19と呼ばれる
ジュチ・ペトレンコフが話し掛けてくる
「Блин, Этот
тысячелистник...
(チックショウ~ あのヤロウ...ッ)」
「Антон,
(アントン・・・)」
浮かない表情で机から立ち上がり、
部屋の隅の方に置かれた薬品棚の方に向かって
レベデワが歩いて行くと、
すぐ側の机の前に立っていたジュチに向かって
別のN/Sの党志である、軍隊の訓練場から
そのまま抜け出して来た様な顔つきをした
"アントン・デレニエフ"
が自分の目の周りをかきながら、
二人に向かって片目を大きく歪ませ
近付いて来る.....
「Я не знаю о чем вы
думаете. Э-э этот
ублюдок который не
знает что значит быть
Цвефовым, он, кажется
расставил странную
ловушку перед этой
дверью чтобы сбежать
от нас с самого
начала.
(何を考えてるか分からねえがっ・・・
あの、ツベフォフだとか言う
意味の分からねえクソ野郎は、
始めっから俺達から逃げるために
あの扉の前に何か...妙なトラップを
仕掛けてたみてえだなっ・・・)」
「Я слышал что его
вот-вот защитят но,
(・・・もう少しで確保できるところだと
聞いていたが・・・)」
「Хех!
(ヘッ!)」
"ガササッ!"
ジュチの言葉に、アントンは
乱暴に目の周りをかき毟(むし)る様にかくと
野蛮な顔つきを見せる
「Я не знаю что это
такое но этот
Японский ублюдок этот
следователь N/S,
нацелился на меня
который ослабил мою
бдительность и дал
мне пинок.
(何だかは分らねえが、あのジャップ野郎、
このN/Sの捜査員であるこの俺に、
油断してるとこを狙って
"蹴り"を入れてきやがったからな...っ)」
「Во всяком случае этот
У «Коно» является
каратистом с черным
поясом и кажется
человеком чье имя в
какой-то
степени поднимается
на немецких
соревнованиях.
(何でも、あのУ(ウー)、"コウノ"は
空手の有段者で、ドイツの競技大会でも
ある程度名前が上がる程度の人間の様だ)」
「Кратце, да!?
("クラーツェ"、ってか!?)」
"ビュッ!"
"ビュッ、!"
どこかで目にした事があるのか、アントンが
ふざけている様な素振りで、
見様見真似の"カラテ"の動きを
おどけた態度で二人の前で披露する
"ガチャ"
「Когерентность приводит
к длине волны света,
Кобб,Реакции атомов
возбужденными
молекулами,
(可干渉性による、光の波長の結果...コブ...
励起分子による、原子の反応...)」
「О, Зафар!
(お、ザファー!)」
「Заффер,
(ザファー...)」
「Визуальное измерение
измерение путем
обнаружения опасности
Оба являются
неметаллами и
характерными
требованиями металлов
которые я видел,
(目視測定、検知危機による測定
どっちも、目にした事がある
非金属類、金属類特性要件....)」
"ザッ...ザッ...ザッ...ザッ――――、
レベデワ ジュチ、そしてアントンの三人の
N/Sの捜査員が、研査室で話をしていると
研査室の入り口から、ふらふらと
ノート型のパソコンを手にした
髪の毛が腰ほどの長さまでの伸びた
身なりの汚い、華奢(きゃしゃ)な男が入り口から
部屋の中央に向かって歩いて来る...
「Стена окружающая
целевой объект
представляет собой
непрерывную
поверхность вечной
мерзлоты,Передача
оптики и звуковых
волн неравновесна,
лаборатория,
(・・・目的対象物の周囲の壁面は
連続永久凍土面、光学、音波の透過行為は
非平衡...ウアボラ...)」
"ピッ ピッ"
「что такое? Кроме того
вы имеете в виду Хамп
(・・・なんだァ~?
また、"コブ"ってんのか?)」
「Вы знали как работает
эта дверь?
Зафар?
(あの"扉"の仕組みがどうなってるか分かった?
ザファー・・・・?)」
「Проводящий металл・・・
Горб,Пластическая
деформация, горб,
Связывание и
разделение путем
свободного переноса
электронов, Кобб,
(伝導性金属・・・コブ
塑性変形...コブ...
自由電子移動による結合、分離...コブ...)」
「・・・・」
三人が何かよく分からない事を
ボソボソと呟きながら、まるで浮浪者の様に
近付いて来るもう一人の党志
ザファーに目を向けるが、ザファーは
三人の言葉にまるで無反応な態度を見せると、
自分の部屋で寛(くつろ)いでいる様な様子で
小声で何か呟き出す....
「Особая форма
земли,Горб Подземная
среда мерзлый грунт
Копать сжигать
взрывать
бурить - отказ от
последующих действий,
Оввал,
(特殊な地盤形状....コブ
地下環境、凍結地盤、掘削、燃焼、
それが爆破、穿孔(せんこう)行為は
後発的行動の否定...
オヴバァル....)」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
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