第三話 「снежный мир(雪世界)」

"ビュオオオオオオオオゥゥゥゥ.....


「(・・・・)」


ザシャッ ザシャッ ザシャッ ザシャッ....


「(・・・・)」


激しい吹雪に耐えながら、河野が


ロシア製の毛皮の帽子、ウシャンカを帽り、


自分が着ている厚手のコートに


寄り添う様に身を縮ませながら、


この"世界"に広がった視界の見通す事ができない


冷たい吹雪の中を、ただ歩いて行く....


"ビュォォォオオオオオオオオ――――


「(何故かは分らんが


  あの、扉に入った後―――)」


"ザシャッ ザシャッ ザシャッ ザシャッ..."


「(・・・・)」


あの時、自分達の目の前に迫って来た


ロシア治安維持統制局、


N/Sの捜査から逃れるため、この河野は


何が起きたのかは分からないが


突然目の前に現れた暗闇の中に


夢中で飛び込むが、その暗闇に飛び込んだ直後


再び自分の周りが激しい光によって


視界が失くなり、僅か1分程.... いや、


N/Sから追われているせいで周りの状況を


見失っていたせいかは分からないが、


その僅かの間に目まいの様な物を感じ、


立ち眩みがして地面に倒れ込んでいると


ツベフォフ、の姿はいつの間にかどこかへと


消え去り足元に積もった


雪に目を向けると、そこには


道端に打ち捨てられたかの様に


防寒具や何かの残骸の様な物が置かれていた....


「(ツベフォフ....)」


ザシャッ! ザシャッ、ザシャッ、ザシャッ!


「・・・オッヒョォァァッ――――!?


 コイツァ、ツメテェ!?


 ツメテェ、ジャネエクワッ!


 ――――"ゴウナ"スワン、ヨオホォー....?」


「・・・スサケフスキ」

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