第二話 「Новый мир(新世界)」
"ザシャッ ザシャッ ザシャッ・・・"
「(・・・・)」
"ジジッ ジジッ_______
「(かなり、寒いな....)」
"ビュオオオオオオオオオオオ――――
「(この場所は....!)」
"ビュウウウウッッ
辺り一面に広がる、雪、雪、雪....
「(何なんだ... この場所は――――
自分の視界見渡す限りに広がる、
一面の白一色の世界、そして吹き付ける
強烈な寒気に身を震わせながら
ロシア藻須区輪亜部新聞 支局長
"河野 洋文(こうの ひろふみ)"
は、"この場所"が何か
足元の雪を踏みしめながら考える――――
「(あの後――――....
"ビュウウウウウウウウゥゥゥゥ.....
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「Угьяаааааааа
(――――ウギャアアアアッ)」
「Эйэй этот света!!?
(な、こ、この光―――――ッ!!?
"シュォォオオオオオオオオッッッ――――!
「な、何だ――――!」
レベデワ、そしてN/Sの捜査員に、
閉ざされた世界と呼ばれる
シベリアの大地を地下に再現した場所で、
コウノ ツベフォフ、 隆和の三人が
拳銃を突きつけているN/Sの防諜委員
"ダリア・レベデワ"の前にただ
巨大な岩肌を背に立ち尽くしていると、
ツベフォフは隆和が持っていた剣に括り付けられた
銀の瓶をその岩肌の前に翳(かざ)す!
「Эй, гяаааааааааааааа
(な、なギャアアアアァァァッァッ
「А, Антон!?
(ア、アントンッ―――、っッ!?)」
「(ま、前が――――)」
"シュワアアアアアアァァァァアアッ!!
そして、ツベフォフが銀の瓶を翳すと同時に、
自分達が背にしていた岩肌から突然
閃光の様な激しい光が溢れ、この場にいる全員が
その光に目を奪われる!
「ты!?
Нагьяааааааааааааааааааа
(....、て、テメェッ―――!?
な、ナギャァァアアアアアアっッ!?)」
視界を失くした事に、レベデワ同様
国家治安統制維持局、
N/Sの党志であるアントン・デレニエフ
は苦痛の表情を浮かべながら両腕で目を塞ぐ!
"シュオオオオオオオ―――――ッ
「(な、何が――――....
「Давай Коно,
(さあ、"コウノ"――――、)」
「・・・ッ! な、なに――――、」
「Гаааааа
Это больно!? Больно
Иоооооооооо
(ギャアアアアッ
痛てえっ!? "痛て"えよおおおぉぉぉぉッ)」
"シュワン....シュワン...シュワン、シュワン..."
「Коно,
(コウノ―――、??)」
「(な、何だ―――? い、岩が....)」
"ゴゴ、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ.....
辺りが激しい光に包まれ、
叫び声や
「Гяаааааааааа!? Гах! ?
Простите меня! ?
Простите меня!?
(ギャァァアアアアアアッ!?
――――ギャハッッ!?・・・許さねえっ!?
"許さ"っねっえっゾっぉぉォォオオオっ!?)」
"ゴゴゴゴゴゴゴゴ...."
「(あ、開いた――――
"ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ.....
目の前が眩み、白夜の様な強い光が
自分、そして周りを照らす中
河野が岩肌の前に立っている
ツベフォフに目を向けると
"ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ....."
「Давай открой дверь в
новый мир!
(さあ、"新しい世界"への扉を・・・)」
"ゴゴ...ゴゴゴゴゴゴゴ....."
ツベフォフの前を塞(ふさ)いでいた巨大な
岩肌が地鳴りの様な音を上げ動き出し、
その場所にポカリと先の見えない、
暗闇の場所が姿を現す――――
「・・・・!」
「Пошли Коно,
(・・・行こう、コウノ――――)」
「―――――」
"ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ.....
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