ロシアにて 第四部~ਚਿੱਤਰ/>イマージェ-Л-
ろわぬ
第一話 「другое пространство(異空間)」
「(俺、は――――、....)」
"ドクンッ"
"ドクンッ...!
「・・・・」
"ヌチャッ"
「あ、タカカズ... ここにいたんだ?」
「連音(れね)....!」
"ドクンッ、ドクンッ...!"
「もう、最終決戦だってのに、
一人でこんなとこに座って...?
・・・もしかして、落ち着かない?」
「いや・・・」
「―――なら、いいんだけど」
「(最終決戦か・・・)」
超破魔大陸空間からおよそ
八万五千七十二光年程を隔てた場所。
「(まさか、このウヴェウヴァヴール・
ロラ・ギド・サカラ・
ヴァーイヴァヴォヴァヴォーラ
レ・バラド・ギド・イナイイスタシアに、
麻衣が閉じ込められてるとはな・・・)」
「―――姉さん、どうなったのかな...」
「(・・・・)」
この八年ほどの長きに渡る魔大陸空間での
激しい戦闘を幾度と無く乗り越え、隆和、は
この魔大陸空間から更に次元を紡(つむ)いだ
この地で遂に
"暁の聖三姉妹"と共に最終決戦を
迎える事になった――――
――――カランッ
「ッ・・・」
"ブワァァアアァァァアアアァァァァァァアア....
「・・・まさか、この、
ウヴェウヴァヴール・ロラ・ギド・サカラ・
ヴァーイヴァヴォヴァヴォーラ
レ・バラド・ギド・イナイイスタシアを
支配する、あの憎き男・・・
"ゴボルザーク"の正体が、
あの、麻衣、そして隆和...アンタと一緒に、
旅をしていた
"ゴドルフレイザー"だったとはな...」
ヌチャッ ヌチャッ ヌチャッ ヌチャッ!
「遥・・・!」
「・・・・」
一人、最終決戦の最終地である
"線悦(せんえつ)の消失"
と呼ばれる部屋の前にある、最終決戦である
ゴドルフレイザーが待ち構えている
最終決戦空間へと繋がるゲートがある部屋で
最終決戦を前に座りながら、麻衣、
そして今まで親友(なかま)であった
ゴドルフレイザーの事について隆和が考えていると、
突然、動物の体内の様な気味の悪い質感をした
床や周りの壁の隙間から、聖三姉妹の長女
"天音寺 遥"
が、壁をめり込みながら姿を現す
「お、お姉ちゃん」
「・・・・」
"ググッ ググググッ...."
「・・・・!」
"ヌチャッ..."
「お、お姉ちゃん....!」
「――――タカカズ、どうするつもりだ....?」
「(・・・・)」
壁の中からまるで押し出される様に出て来た
遥に、聖三姉妹の末妹、"帝響 連音"が
驚いた表情を浮かべながら声を掛けるが、
遥、はそんな連音の様子に風を感じているのか
静かに、目の前の床に座り込んでいた
タカカズに向かってコソリと
小声で話し掛けてくる――――
「...."どうする"って何がだ?」
「―――分かってるだろう」
"ヌチャッ"
「・・・・!」
気味の悪い、まるで生き物の肌の様な
壁の中から自分の肢躯(しく)を
総(すべ)てはみ出させると、遥は、
真剣な表情で床に座り込んでいる隆和に向かって
悟す様な眼差し(まなざ)しを浮かべる――――
「・・・今、私達、聖三姉妹―――、
正確には、この聖三姉妹の二つ目の柱である
麻衣は、この先にある、
線悦の消失の間に囚われ
この場にはいないが、この先にいる
魔界死獣将軍... ゴドルフレイザー....
いや、奴は、真実その姿を隠していたが故に
ゴドルフレイザーのアバター
その物ではあったが....」
「・・・そうだな」
"ゴドルフレイザー"
「(・・・ヤツが、ゴボルザークの実体の
現し身である、アバター
ゴドルフレイザーその物だったとは...!)」
【タカカズ...お前の、"エモイ・ショット"では、
この先ゴドルフレイザーとの
最終最衍決戦を迎えるには
かなり、手厳しいだろうな・・・】
「(――――あいつがっ、・・・!)」
"ダンッッ!!"
【耳が尖っているからと言って、
別に日常の生活に
それ程支障を来す物ではない】
【そ、そうなのか?】
「(俺達に、その真実の姿、
ゴボルザークであると言う正体を隠し、
何食わぬ顔でヌケヌケと
まんまと共に旅してるとは・・・!)」
"甘かった"
「(・・・・!)」
正に、敵の最終破壊破滅終滅激走者である、
"ゴボルザーク"。
【クハハハハハ....っ!
ぬかったな、"タカカズ"よっ?
この、聖三姉妹の次女である、麻衣が持つ
"真実の翳(リザレクション)り"は、
この、我が頂いていくぞ・・・ッ!】
「(・・・・!)」
――――ヌチャッッ!
「タ、タカカズッ!?」
「(ゴボルザーク....ッ
"ギッ!"
今まで親友(とも)であった筈の、
ゴドルフレイザーの裏切りに
目の前で麻衣を連れ去られた隆和は、
自分の不甲斐無さに洞窟の床に
拳を強く打ちつける!
「・・・麻衣っ...!」
「―――タカカズ...」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
"ドクン ドクン ドクンッ....
「―――焦っても仕方がないだろう?」
「遥・・・」
"ヌチャッ"
遥が、ゆっくりと歩み寄ってくる
「とにかく、この先の線悦の消失の間に
ゴボルザーク、そして我が聖三姉妹の
次女である、麻衣はいる筈だ・・・」
「・・・そうだな」
"ドクンッ、ドクンッ....!"
まるで、心臓の早鐘に合わせる様に
周りの壁から、血液が逆流している様な
"鼓動"が聞こえて来る――――....
「行こう、隆和。
・・・最終決戦への契りは、この先にある」
「オッケー!? タカカズッ!?
"オッケー"だよっ!?」
「・・・・!」
"ドクンッ、ドクンッ、ドクンッッ....!
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