第2話 疑い深い疑井さんは、桃に追いかけられる
疑い深い疑井さんは、異世界転生した。
犯罪者集団から逃げ出した後、外は森の中だった。
かなり深い森だ。右も左も、前も後ろも木々で覆われている。ここから下山するにも、なかなか骨が折れそうだ。
「さすが違法宗教団体だな、人目を避けるか」
しばし、道なき森の中を歩く。
かなり速いペースで歩いたせいで、息が切れている。
なにせあの三人から逃げなければならないのだ。
そのとき、横に流れていた川から、妙な音が聞こえてきた。
どんぶらこ。
どんぶらこ。
気になり、ちらりと視線を送ると大きな桃が流れてくるではないか。
「……」
スルーした。
無視して歩いていると、
どんぶらこ。
どんぶらこ。
先ほど流されていった大きな桃が再び川上から流れてくるではないか。
「……」
当然無視し、足を止める。
すると桃も止まる。
歩き出すと、桃も動き出す。
「ドローンか?」
じっと桃を見つめると、一気に駆けだす。
追いかけてくるならば、撒くのみだ。
「ちょ、ちょっと待てええええ!」
桃から何か声が聞こえた気はしたが、そんなもん関係がないのだ。
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