第2話 一週間で元の木阿弥
人生初の無職になり、ハローワークに通いながら鬱々とした日々を過ごしました。
前職と同じ業種には就きたくない。しかし、給与面などを見るとどうしても劣ってしまう。初めての就職先しか経験がなかったので当たり前ではあるのですが、その時の私は全くの世間知らずでした。
やりたい仕事も特になく、時給も内容も条件も全くピンとこない。パソコンの画面に映る文字の羅列を流し見ながら、ぼ〜っとした毎日を生ける屍状態で過ごすこと数ヶ月、私の携帯に一通のメールが送られて来ました。
『リピーターキャンペーンのお知らせ』
そう書かれたメールの差出人は、半年ほど前に受けた前世療法のサロンからでした。
前回の施術を受けて約五ヶ月後の十一月。私は再びサロンのドアを叩いていました。
たった一週間しか持たなかった一度目の結果は良好とは言い難かったのに、それでももう一度何かを掴みたかったのか、一時的にでも気分を浮上させたかったのか……ただ一つ間違いないのは、この選択がなければ私は今も閉じられた世界の中で味気のない日々をやり過ごすだけの人生を今もまだ送っていたかもしれません。
二度目の施術は、はっきり言って上手くいきませんでした。前世を見ること自体は出来たものの問題解決の糸口までは掴めず時間が過ぎていきます。
その日は遅くなってしまったので一旦終了として、先生と夕食をご一緒することになりました。近所の飲食店で食事をしながら「明日はオフだしドライブでもしようかなぁ」という先生の何気ない一言に軽い気持ちで口にしました。
「私も連れてってくださいよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます