第65話 新家リナの過去③
松本探索ストアが倒産して、新家姉妹は窮地を脱出した。しかし経営難は変わらない。
そして新家姉妹は今回の事件について警察から説明を受けた。
新家リナに好意を抱いていた松本探索ストアの社長令息は、新家姉妹の母親を好いていた。しかし彼女から振られて更に結婚し亡くなった。なので母親似のリナをモノにする為に元重役達を買収して新家探索販売店を乗っ取ろうとしていた事。
銀行融資の断りも松本探索ストアが裏で買収していた事。
新家メイを専属探索者に殺して契約を失敗させて違約金を支払わせる様に指示していた事。
そして新家リナと社長令息が結婚した後に、新家探索販売店を吸収して現社長の力を失くして行き、最終的には官職に回そうとしていた。
新家姉妹は説明を聞いて「社長令息と母親に好意?」と聞く。
「なんでも松本社長は亡き新家夫人を好いていたらしい。そして夫人に似ているリナさんを愛している証言している」
気持ち悪い事を聞いた姉妹。そして、
「新家夫人に似ていたリナさんを偶然電車で見て、感触を確認しようとしてセクハラしたときから好いていて、相思相愛だと叫んでいる。なんでもリナさんが自分を誘ったと言っているよ」
中学校に入ってからセクハラさせやすいリナ。そのせいでセクハラ対応には慣れているが、ここまで酷い事件は初めてだった。
「私達からの説明は以上です。次にダンジョン管理省から説明があります」
警察官が退出して、今度はダンジョン管理省職員が入室する。その中には中学生くらいの子供も居た。大人の管理省職員と中学生が席に座る。
「初めましてダンジョン管理省です。今回は大変でしたね。私は山田市太郎と言います」
中学生の山田市太郎が主となり説明をする。それに驚く新家姉妹。
「今回のダンジョン探索依頼ですが、新家メイさん。契約書を確認してください。失敗したら成功報酬十倍の違約金って読めなかったのですか?」
「えっ!?」
「え、ではありません。もし貴方が失敗したら新家探索販売店は違約金で倒産です。この契約書は弁護士に連絡して無効にしましたから」
「あ、ありがとうございます」
中学生の市太郎に謝罪する新家メイ。次に、
「新家ラナ社長。貴方に仕事をお持ちしました。これを見て頂けませんか?」
書類を提示する山田市太郎。新家姉妹全員が読み始める。内容は『呪いの武具や装飾品の買い出し依頼』だった。
「新家探索販売店が呪いの武具を購入して、ダンジョン管理省で呪いを解除してオークションに出します。落札価格の二割が報酬です」
「呪いの解除? 出来るの?」
「はい。ダンジョン管理省で呪いを解除します。今も少しずつ呪われている武具を解呪してオークションに出しています。……これです」
市太郎からオークションに出されている装飾品をスマホで見る。……金額が数分毎に高値になっていく事に驚いている新家姉妹。
「……少し考えさせて下さい」
「分かりました、新家社長。良い返事をお待ちしております。そして最後に新家リナさん」
自分にも話があると思っていなかったリナ。そして市太郎の話はリナの将来を変えた。
「貴方を探索者高等学校に推薦します。貴方の特殊な才能が必要なのです」
最後に爆弾発言をした山田市太郎。新家姉妹は言葉の意味が分からず呆然とした。
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