20 スキルとクエスト
血を吸い終わると、剣と鎧と服と血泥が混ざった山ができた。
「これ、どうしよう?」
このまま放置してもいいけど、腐臭とかが出て来て衛兵の目に触れたりとかは嫌だなぁ。
「バンと同じやり方?」
それしかないかなぁと『ゲーム』を起動。
ささっと交易掲示板を利用して騎士だった残骸を1Lで売る。
『ピコーン!』
今度はゲームの効果音だ。
キャラクターの上で『!』がポップした。
『高性能肥料のレシピを思いついた!』
「うえぇぇ」
それってつまり、人の死体で肥料を作るってこと?
まぁそれを作ったりするのは宿に戻ってからだ。
クエストとやらも確認しないといけないし。
ともあれ死体の処分方法が見つかったのは良かった。
これからこんなことがあるたびにゲーム内に無駄なデータが貯まることになるのはたまったものじゃなかったし。
…………いやいや、こんなことはない方がいいんだよ?
自分でもよくわからないけど怖いこと考えていたな。
とにかく帰ろう。
そうしよう。
人目は大丈夫だったと思うけど、そそくさと宿に戻る。
部屋に入ると、まずはステータスチェック。
名前:アキオーン
種族:人間
能力値:力45/体70/速23/魔20/運3
スキル:ゲーム/夜魔デイウォーカー/瞬脚/忍び足/挑発
魔法:鑑定
やっぱりスキルが増えている。
吸い殺した相手のスキルを奪えるのか。
それにしても挑発?
RPGとかで盾役が使うスキルとかのあれかな?
なんだかすごく挑発に引っかかりそうな人だったんだけど、そんな人がこのスキルでいいのだろうか?
まぁ、それはともかく。
再び『ゲーム』を起動。
喉が渇いたので果実ジュースを買う。
これもゲーム内では家具か住民にプレゼントして友好度をアップさせるしかなかったアイテムなのだけど、買ってこちらに出せば飲むことができる。
血が口の中に残って生臭いとかはないんだけど、どれだけ飲んでも喉の渇きが癒えたとかいうのもないんだよな。
ともあれクエスト確認だ。
ええと、どこで見ればいいんだろう。
あ、役所でどうとか言ってたっけ。
役所に行く。
屋敷を最大にして領地開発も終わると用なんてなかったんだけど、話しかけると久しぶりの出番を喜ぶように「クエストです!」と叫んでいた。
クエストの内容は以下となる。
『酒造クエスト。
お酒を造るための酒造場を屋敷に追加するために必要なものを集めましょう。
酒造場が完成するとクラフト可能なカテゴリーにお酒が追加されます。
必要な物。
トレントの木材×10
酔夢の実×1
これらは領地内、冒険者派遣では手に入りません。交易で探しましょう!』
交易?
ええと……。
つまり、俺が探して来いってことだよな?
トレントってあれだよな?
魔物のトレントのことだよな?
酔夢の実っていうのは聞いたことがある。
ダンジョンでたまに手に入る魔法の果実で、中には極上の酒が入っているという話だ。
魔物も地上で探すぐらいならダンジョンに行った方が早い……と思う。
あれ?
これって……。
「ダンジョンに行けって……こと?」
マジかぁ……。
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