第17話 アンナを探せ!!!
※前回のお話し※
クルスが何か閃いたという事で訳も分からず、教会へ向かう一行。
シスターイザベルが教会で皆を出迎える。
アンナが急に自暴自棄になり泣きじゃくってしまった為、別室のベッドで休ませる事にした。
クルスはイザベルにセーラを呼んでもらい、セーラをジーッと見た。
するとクルスは『セーラには呪いなどかかっていない』と断言する。
不思議がる一同に対しグレテンシュタイン伯爵だけが妙に納得している。
ショウタが理由を聞くとクルスの正体が「SS級冒険者兼皇帝お抱えの霊能者」だという事が分かる。
『圧倒的な存在であるクルスが言うのであれば、それが根拠となる』と断言する。
だからといってイザベルがウソをつく理由が分からない。
するとセーラが、教会に入る際にイザベルに儀式と称して首筋を噛まれたと明かす。
それを聞いたクルスとショウタはイザベルがバンパイアである事を確信した。
すると、セーラが『そういえばイザベルが居ない』と言いだす。
妙な悪寒が走ったクルスとショウタは、アンナの危機を直感で感じ、アンナが休んでいる部屋へ向かう。
そこには、寝ている筈のアンナはいなかった。
一足遅かった………………
イザベルに攫われてしまった…………
――聖フランシス大教会――
「……くそ!……なんでアンナさんが……」
ショウタは悔しがる。
「…………急いだ方がいいと思うぞ~」
クルスは鼻をほじりながら言う。
「どうしてですか?!」
ショウタが尋ねる。
「バンパイアはな、気に入った女の血を死ぬまで吸い尽くすらしいんじゃよ~。もしかしたら、もう死んでるかもしれないぞ……あぁ~ぁ」
ペロペロキャンディーを舐めながら適当に話すクルス。
「なッ!?ウソでしょ?!変なこと言わないで下さい!!不謹慎な!!」
ショウタは怒っている。
「だってな……事実なんじゃもん。アイツら不気味でキモいからワシ嫌いじゃ~」
クルスは、ペロペロキャンディーを舐めながら他人事の様に言う。
「……ッ!今すぐ探します!!」
ショウタは眉間に皺を寄せ、必死に念じている。一刻も早くアンナを見つけたい一心で念じた。
「………………見つけたか~?」
クルスは椅子に座り足をプラプラさせている。
「…………今やってますからッ!!!静かにして下さい!!!」
ショウタはクルスに向かって叫ぶ。
「はーい。怒られた~こわ~い~」
クルスは危機感を感じていない素振りだ。
「クルス様…………アンナさん大丈夫なのでしょうか……」
グレテンシュタイン伯爵は心配そうに尋ねる。
「わたしも心配ですわ………………アンナの為に神に祈ります…………」
セーラは心配そうな顔でアンナの無事を願って祈り出した。
「大丈夫!大丈夫!あのカスがアンナを見つけたらすぐに向かうから心配するな!ワシを誰だと思っとるんじゃ!ワッハッハ!!」
大声で笑うクルス。
「…………見つけましたッ!!西の森の中にある廃城?です。アンナさんは…………まだ生きています!!良かった!!…………あっ!シスターイザベルもいます!…………ウッ!なんだ?頭が……ウゥ……ゥゥ……」
ショウタはアンナを見つけたと思ったら急に頭を抱え出して身悶え出した。かなり痛そうだ。
「…………気付かれたな……逆探知魔法を使えるな。めんどくさいヤツ」
クルスは険しい顔つきになる。
セーラがショウタに駆け寄る。
「だ……大丈夫ですか?今、回復魔法を!!」
セーラはショウタに向かって手を伸ばす。
「ヒール!」
するとショウタは淡い緑色の光に包まれた……
「…………あれ……痛く無い……さっきまで割れる程痛かったのに……ウソみたいだ。しかも前より元気になった気がする」
ショウタは頭痛が治り喜ぶ。
「ほぉ…………練度の高いヒールじゃな。見込みあるぞおぬし」
ショウタの元気っぷりを見て、セーラの回復魔法に感心するクルス。
「え?……あ……ありがとうございます」
急に褒められるセーラ。
「クルスさんッ!!早く行きましょう!!アンナさんを助けないと!!」
ショウタは元気になったからか張り切っている。
「はいはい…………お前は道案内しか出来ないがな……フッ」
クルスはショウタを小馬鹿にする。
「クルス様……わたしとセーラは、足手まといになるので、ここでお待ちしています。ショウタさん。クルス様を頼みましたよ」
グレテンシュタイン伯爵はショウタの手をガッシリ掴みクルスを託す。目がマジだ。
「はい!……任してください!」
ショウタはドヤ顔だ。まんざらでも無いショウタ。
元気になって強くなった気でいるらしい。
「お前に何を任せるんじゃ………まぁいい…さっ!行くぞ!!」
クルスは、そう言うと教会を出た。その後をショウタが続いた。
二人はアンナを助けるべく、西の森の廃城へと向かった。
イザベルがバンパイアだった場合、かなりの強敵になる。
果たしてイザベルを退けアンナを無事救出出来るのだろうか?
そして!借金は回収出来るのだろうか!?
※もう少しで1章終わります!
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