3. 初めての委員会活動

委員会や係を決めてから1週間が経ち、ついに今日、初めての委員会の集まりがある。



「はー……これから委員会の集まりかぁ、だるいなぁ」

「わかる~けど、初っぱなからサボるのはヤバイでしょ」

チラホラそんな会話をしている生徒を尻目に、ミオとヒナタはいそいそと園芸委員会の集まりがある場所へと向かう。




「それでは……そろそろ時間なので始めましょうか」

園芸委員会を担当する柏木先生がそう言った。

「ね、ミオちゃん……人、少なくない?」

隣に座るヒナタがヒソヒソとそう聞く。

「う、うん……。2年生のところ空席が目立つね……」

ミオが辺りをこっそり見渡してそう言った。


園芸委員会は2人が定員だ。だけど、1人しかいない所や、だれもいない席が目立つ。


「いない人も多いですが……委員長、副委員長を決めたいと思います。そのあと、園芸委員会の主な仕事である花壇の水やりの当番を決めます」


話し合いの後、無事に委員長、副委員長が決まり、水やりの当番も決まった。


「では、来週の中庭の大掃除と球根植えについて説明します」


来週は中庭の雑草を抜いたり、秋に咲く花の球根を植えたりするのだ。

柏木先生は体操服を忘れないように、そして大規模な作業になるため全員参加するようにと念押しをして言い、委員会の集まりは終わった。




あっという間に中庭の大掃除と球根植えの日がやってきたのだが……。


「これだけですか……」

柏木先生の眉間に皺がよる。


集まった園芸委員は、先週の集まりの時より人が少なかった。


「仕方がありません……。皆さん、頑張りましょう」

柏木先生はそう言って、今日の仕事内容を説明していく。

ミオとヒナタは球根植えの担当になった。

中庭の掃除を担当している生徒は、掃除が終わり次第、球根植えを手伝うことになっている。


コスモス、リンドウ、ナデシコ、サルビア、ダリア……種や球根を柏木先生の指示通り、プランターや花壇に植える……ために、まず古い土の整理だ。


ミオとヒナタはスコップや鍬で土を掘り返す。


「ひゃあぁ!」

突然、ヒナタが声を上げる。ミオは慌てヒナタの元へ駆け寄った。

「大丈夫!?ヒナタちゃん!」

ヒナタは震えながら指をさす。

そこにいたのはコガネムシの幼虫だ。


「幼虫……」

植物の根っこを食われるといけないので、ミオはスコップで掬い上げ、花壇から離れた低木が生えている場所にぺいっと置いた。


「ミオちゃんって、虫……平気?」

ヒナタが恐々とそう聞いた。

「うーん……そんなに好きじゃないけど……素手では触れないけど、道具を使えば何とかいける程度かな?」


そんなこんなで、古い土を掘り返し、新しい土と肥料を混ぜ、ようやく種や球根を植えられる。


「音木さん、金森さん、ご苦労様。丁寧にやってくれて助かるわ」

柏木先生が来て、植えるのを手伝ってくれた。

「……何だか、人がさっきよりも減ってない?気のせいかしら……」

柏木先生がそう呟くと、近くにいた他の園芸委員が溜め息をつきながらこう言った。

「先生~草むしり班の人達、ほとんど帰って行きましたよー……。ひどいと、軍手とか、抜いた草を入れたゴミ袋とかほったらかしにして帰ったんですよ~!?」

それを聞いた柏木先生は頭を抱えた。


「この人数で後片付けもしなくちゃいけないから、まだまだ時間がかかりそうだね……」

ヒナタの呟きにミオは頷いた。

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