第9話後日談

水龍様の撮影に成功した我々は、現地を後にしようとした。その時、カメラマン・三吉に水龍様を撮影したか聞いてみたところ、こんな返事が来た。

「水龍様・・・?いえ、撮影できませんでした・・・」

「えっ!?お前、撮影してないのか?」

「はい、それどころか見てもいません。」

椿と道草は、信じられないと互いに顔を合わせた。

そのままスタッフルームに戻った椿は、カメラの映像を全て確認した。やはり三吉の言うとおり、道草が撮影していたカメラにのみ水龍様が写っていた。

そして我々はドキュメンタリードラマを撮影し、この一件は終わった。

それから一ヶ月後、富大さんから我々に電話があった。

「あなたたちが失くした水中カメラが、見つかったよ。」

その連絡を受け、翌日に三吉がカメラを取りに向かった。

三吉によると発見された水中カメラは、見るも無残な姿で見つかったという。

「村のゴミ置場で発見されたんだ、見慣れないものだったからとても驚いたけど、よくよく見てカメラだと気づいたんだ。」

見つかった水中カメラは破壊されていて、しかもフィルムが失くなっていたという。

「そういえば近所の人が、このカメラを捨てた人を目撃したようなんだよ。それでそいつは、神崎さんのようなんだ。」

まさか神崎さんが池からカメラを回収して、壊した後捨てたというのか。だとしたら、その目的はなんなのか?

真相は誰にもわからない・・・。

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現実超常ドキュメンタリー特派員・御池の水龍 読天文之 @AMAGATA

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