再読する派?しない派?

 一度読んだ小説、みなさんは再読する派ですか?しない派ですか?

 する派の方は、どのようなときに再読するでしょうか。


 私は基本的に再読しない派です。


 お気に入りのシーンがあって、そこだけを読むということならありますが、最初から最後までもう一度読むということは、あまりしません。


 なぜかというと、読書は私にとって、とても時間のかかる趣味だからです。


 みなさんは一冊の本を読み切るのにどれくらいの時間がかかるでしょうか。

 ページ数にもよりますが、数時間で読める人もいれば、一日かかっても読めない人もいると思います。私はどちらかと言えば後者です。

 最低一日。家事や仕事をしながらだと三日、四日。大作や自分の苦手なジャンルだと、二、三週間かかることもあります。


 そんな私が一年間で読み切ることができる冊数はせいぜい三十〜四十冊程度。

 新刊はほとんど毎日出ているので、自分が生涯、読むことのできる本はほんの一握りです。


 推し作家の本を全部読破するだけでも相当な時間がかかるのに、〇〇が紹介していただの、流行の本だの、映画化しただの、そういうのを追いかけていたら時間がいくらあっても足りません。

 でも、「面白そう!」と思った本は、なるべく全部読みたいんです。


 そうなると、既に読んだことのある本に時間を費やすのは、なんだかもったいない気がするのです。

 まだ知らない本が、この世にいっぱいあるのに。


 とはいえ、そんな私でも再読する本があります。それは、子どもの頃に読んだ児童書です。


 子どもの頃に読んだ本ですから、内容はうろ覚え。


「これってどんな展開だったっけ?」

「何であんなにハマったんだっけ?」


 もう一度読むと「ああ、そうだった」と当時が懐かしくなります。また子どもの頃にはわからなかった大人の事情や登場人物の心情なども、わかるようになって、さらにその本が好きになるのです。


 ただ残念なことに、既に絶版になっている児童書もあって、そういう本は図書館で借りるか、古本を見つけるしかありません。

 表紙の絵が変わって、「今の子はあの表紙を知らないんだ……」と寂しく思うこともあります。


 話が逸れましたが、児童書なら、読むのにそう時間はかからないので、気軽に再読することができます。


 大人になってから読んだ本で、再読したことのある本は、本当に数える程度です。

 あるとすれば、本が映像化されて、それを観たときくらいでしょうか。

 原作はどんなだったか、立ち戻りたくなるのです。その作品が好きであればあるほどに。


 好きなシーンやセリフがあるなら、日記に感想を書くついでにそれをメモしています。そして、読みたくなったら日記を参考に、そこだけを見に行く。


 そうして一冊でも多く、知らない物語の世界にどっぷり浸りたいのです。

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