第18話 レット傭兵都

 処分に困る大人数を僕が回収した事で、更なるヒヨリミ男爵達の感謝を受けイスカ町を後にした。


 僕達は、ドンの案内で盗賊団のあじとに向かった。

 イケスカンダ(改名したい)に向かう街道を南に反れ、暫く行くと鬱蒼うっそうとした森が広がる。


「レット様、この森は『盗賊団の森』と呼ばれ、あっし達が最大勢力で有りますが、大小とうほどの盗賊団が隠れ住む森で有ります!」

「盗賊だけに10とう程か」

「へ?」

 つい出てしまったが、日本語のオヤジギャグは通じないか。


「盗賊は全部で何人居る?」

「あっしら以外、3000程居ると思います」


「3000か…ドン達と合わせると4000の兵になる…

 決めた!全員配下にする!!ドン達も協力してくれ!」

「へい!ペンペン草盗賊団廃業!レット傭兵団になったと噂を流せば、半数以上を占める弱小盗賊団は傭兵団入を打診して来やす!

 残りの強固な奴等は力押しで潰して行けば、盗賊の森制覇レット様なら容易い事でしょう!!」


 ドン達の砦は、頑強な防壁に囲まれた都市と言って良い位に巨大だった。

 ドン達盗賊の妻子だろう、女や子供の出迎えを受けた。

 盗賊団とは言え、意外にアットホームな雰囲気に包まれた。

 僕達を捕虜と勘違いしたのか、子供達がつっついてきたので、拳骨をくれてやった。

「び、びえ~~っ」拳骨を食らったガキンチョが盛大に泣いた。

「こら!ガキども!このお方は女神メゾン様のご子息レット様!!我々の恩人だ!無礼は許さんぞ!!」



 天気の良い日は、中央の広場でかがり火を焚き全員が一斉に食事を取るそうだ。

 1500人程の男女が一斉に食事を取る風景は圧巻だ。

 銘々が、トレーにパンや串焼肉、スープカップを乗せ定位置に着くのを待ち、ドンが大声を出した。

「皆良く聞け!!盗賊団を今日限り廃業する!!我らはこちらのレット様と共に、レット傭兵団を起こす!!」

 聞き入っていた男女から歓声が起こった。

「「「「「「「「「「「「「「おーーーっ!!」」」」」」」」」」」」」」


 好きで盗賊家業をやて来た訳で無く、危険な傭兵で有ろうとまともな職に着く事は悲願だったそうだ。

 僕からすれば、傭兵も盗賊もあまり違いは無いように思うが、無法者で無くなると言う事が嬉しいようだ。

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