第17話 レット傭兵団結成

「女神メゾン様の御子息レット様が統治者になられた事、各省全てと領民に徹底通知して置きます!!お早いご到着をお待ちして居ります」

「イスカ町に帰り、ヒヨリミ男爵に経過を知らせ伯爵領都に行く」

 と苦労が顔に出てる侍従長に言った返答だ。



「一っ走りイスカ町に向かうぞ!」

「レット、また競争する?」

「8㎞だからスピの速度でユックリ走る。スピ、無理の無い走りで先頭を行け」

「はい!レット様」

 スピは最初こそ普通に走ってたが、1㎞程でバテて歩き出した。

 くわえタバコも吸い終ってしまった、短い足でチョコチョコ歩くスピに皆が不満そうに僕を見る。

 結局スピを僕が背負い、いつもの走りになってしまった。

 全て上手く行って気分は楽だ、走りながらつい鼻歌も出て来る。


 向こう横丁の煙草屋の可愛い看板娘♪

 歳は18番茶も出花でばないとしじゃなぁいいか♪

 おまけに煙草を渡す時可愛い目付き♪

 だから毎朝毎晩煙草を買いに行く♪


「レット様、楽しい歌ですね!歌の意味は分かりませんが」

 ひいじいさんが煙管きせるを吹かせながら歌ってた『煙草屋の看板娘』背中のスピは気に入ったようだ。



 鼻唄まじりで気楽に走っても、イスカ町には直ぐに到着した。

 ヒヨリミ男爵と兵士達が、縛った盗賊団を前に何か話してる。

「レット様?何か忘れ物で御座いますか?」

「ヒヨリミ男爵!イケスカンダ伯爵の討伐終了した!以後は自領を発展させる事を考え、良い統治を心掛けよ!!」


「えっ?もう済んだので有りますか?女神メゾン様のご子息レット様には感謝のしようが御座いません!!レット様の統治のお手伝い懸命に勤めさせて頂きます!」


「兵士達と何を話していた?」

「800もの盗賊の処分、奴隷にするにもこいつらを売るまでの食料が無いので、いっそ殺してしまおうかと相談して居りました」


 800か、意外に生き残ったな……1000人以上の盗賊団の本拠地は相当な規模だろう、役にたつかも。


 盗賊団は聞き耳立ててる、自分達の命に関わる事当然か。

「処分に困るなら、僕が全員引き取る。盗賊団の首領は生きてるか?居るなら名乗れ!」

「レット様!あっしが首領のドンであります!」

「ドン、僕の配下に成れば面倒はみてやるが、どうだ?」

「レット様に死にそうな状態を神術で回復して頂きやした!!あっしら盗賊団を止め、レット様の配下手足の如く使って下せぇ!!」


 僕は盗賊団全員を見渡した。

 全員縛らて不自由な動きで平伏した。

「リン、ミン、メイそれにハスラ達、拘束を解いてやれ!!」

「ドン達は、今日からレット傭兵団の一員だ!」


 ドンを始め、拘束を解かれた順に全員片膝をつき、右拳を心臓の位置に置く忠誠を示した。

 意味は心臓を捧げる『我が命は貴方の物』と言う絶対的忠誠心を示す行為である。

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