第6話 開拓村、潰して良い?
「レット!武器が出来たよ!」
「今度は大丈夫…だと、思う」
リン達が、自信無さそうに言うのも、二度出来た剣の試し斬りで、二度ともへし折ってしまったからだ。
剣って、刃筋を整え斬らないと、僕の力任せの振り方では少しでも歪んで打ち込むと簡単に折れてしまう。
出来た武器は……「これって剣じゃ無いね」
どうやら、折れた剣を纏めて鍛え直した金棒…かな?
重量は15㎏か20㎏位有りそうな、ゴツイ長さ80㎝位の四角柱、先は尖ってるので突き刺す事は出来るかな?握りは普通の剣の
「あ、有り難う…凄く使い易そうだね?ゴツクてこれなら折れない?だろうね…」
「うん!使って見て見て!何か気付いたら言ってね!直ぐに改良するから!!」
「振ってみて重く無い?」
「こんなのでも、軽々振り回せるのね?」
こんなのって言ってるよ!自分達で造って置いて。
でも、20㎏近く有りそうな鉄棒、片手で振り回せるのって、僕自信驚きだよ。
「それと、
これも十方手裏剣を、僕がまともに投げられないので、工夫してくれたようだ。
十方手裏剣って、投げても真っ直ぐ飛ばない、シュートにカーブドロップと、不規則に曲がってしまう。
形状的に、作るの大変だっただろうに、3個も造ってくれてた。
これを僕が本気で投げたら、猪や熊だって一撃で倒せる。
使い捨ては勿体無い、再利用出来る様に、確実に相手に当てる!
「訓練しなくちゃ!!」
僕が勝手に猪や熊って言ってるけど、獣じゃ無くて魔物だそうだ。
「獣と魔物の違いは、魔石の有る無しで分かるよ」
「獣は普通逃げるけど、魔物は小さくても必ず人に向かって来るよ」
だそうで、僕が倒した猪に魔石が有った。
魔石は、パチンコ玉位の赤く綺麗な玉だった。
「この猪が魔物だろうが倒したからには、しっかり食べてやるぞ」
この世界に転生して良かった事は、肉を食べ放題って所か。
火の番を交代でやる事にして、リンとミンを先に寝かせた。
僕は、眠気覚ましの一服を燻らせて居る。
「レット?何か来る!」
「メイ、何かって魔物?」
「気配は……人かな?」
「リンとミンを起こして来て」
「起こして来る」
直ぐ起きたようで、3人が僕の左右に座った。
火から目を逸らし、森の闇を見据えた。
いつでも礫を投げられる様に準備して、加えタバコで何者かが現れるのを待った。
「お前達!こんな所で何をしてる!!」
5人の男達が近付いて来た。
「それ以上近付くな!!お前達こそ何者だ!!」
「俺達は、開拓村の者だ!この湖に罠を仕掛けて居て、様子を見に来た」
「東に開拓村が有るな!そこの村人か?」
「あぁ、村の事知ってたか、そうだ!そこから来た」
「子供が4人で何をしておる?」
先頭の男をねじ伏せた。
「近付くなと言ったの、聞こえなかったか!」
「おい!止めろ!」
「それ以上近付くと、敵対者として、処分する!!」
「勘違いするな!怪しい者じゃ無い!開拓村の者と言ってるだろ!」
「魔物の徘徊する森を、夜の夜中にたった5人でやって来た!十分怪しい!!」
リン達も「「「うん!怪しい!!」」」と警戒してる。
***
最果て開拓村の村長は、森の中煙が立ち上って居るのに気付いた。
「森に異変が起こって居る!調査して来い!!」
村長の命令で、猟担当のゴロツ達5人が煙が昇って居る湖に向かった。
ゴロツは、木に隠れて伺った。
レットがドワーフ3人娘を救出、湖の野営場所に帰った所だった。
「な?…何じゃこりゃぁ!!」大声が聞こえて来た。
レットが初めて自分の顔を、湖に写して驚いた所だった。
「男1人に女3人、ガキが4人か…村長喜ぶぞ!!」
異変の正体を見届け、村に帰り村長に報告した。
「おう!子供が4人か!女が3人も居たか!!ゴロツ!夜寝込みを襲い捕まえて来い!女は高く売れるから、傷付けず捕らえて来い」
「村長、男は?」
「男は何歳位だった?」
「12~3歳位に見えた」
「男も一番高く売れる年齢だ!傷付けず捕まえて来い!」
***
「リン、一応捕らえたけど、こいつらどうしよう」
「取り合えず、お話してみるね」
リン達は可愛い女の子に見えるが、人と違うドワーフ、後ろ手に縛った男の小指を無造作に折った。
「ぎゃ!な、何をする!!」
「素直に答えたら、これ以上指は折らん!!誰の命令で、ここに来た?」
「村長の命令だ!」
「村長は、私達をどうする気だ?」
「……」
「薬指も折るとするか」
「ギャァ!!痛てぇ!!」
「面倒だ、答える気が無いなら、湖に沈める!4人が素直に答えるだろう」
流石ドワーフ、軽々男を引きずって湖に、放り込んだ。
「だ!だすげてぐれ~~っ!!」
「答えたら、助けてやる」
「お前達を奴隷商人に売る為、捕らえて来いと命令受けた!!」
「レット、って事らしい、開拓村って録な物じゃ無いよ」
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