第32話 初体験!?

 キスをされて、その甘い感触に和樹はくらりとする。


 やがて、キスを終えて、観月は泣きそうな顔でえへへと笑う。


「わたしを本物の家族にしてください、兄さん」


「今までだって、観月は俺の本物の家族だよ」


「知ってます。兄さんがわたしを大事にしてくれていることは。わたしも兄さんの妹でいられて本当に良かったと思います。でも……もし兄さんが誰かと結婚したら、わたしたち、今までの関係ではいられません。一緒の家に住んで、ご飯を一緒に食べて……そんな幸せが失われるのが怖いんです」


「そんなのは遠い未来のことだよ」


「遠い未来でも嫌なんです。だから、わたしが今、兄さんと結婚すればいいなって」


「結婚は俺たちの年齢じゃできないよ」


「そうですね。でも、この場でできる結婚もあります」


「え?」


 観月はベビードールを勢いよく脱いだ。脱ぐ瞬間、白い胸が大きく揺れ、観月は慌てて恥じらうように腕で胸のあたりを隠してた

 けれど、もはやショーツ一枚の姿で、和樹に覆いかぶさっている。和樹は完全に冷静さを失った。


「既成事実がほしいんです、兄さん」


 しかも、観月は和樹に抱かれたいということのようだった。


 観月が切なげに訴える。


「見返りなんていりません。わたしにそういうことをしたからって、本当に結婚しろとも言いません。兄さんがわたしのことを好きでなくてもいいんです。兄さんには、透子さんたちがいますから……。でも、兄さんの初めての女の子は、妹であるわたしがなりたいんです」


「それは……」


「わたしのたった一つのお願い、聞いてくれませんか?」


 必死な様子で観月は言う。

 ここまで、観月が自分のことを思ってくれるのは、和樹にとっても衝撃だった。


 ずっと二人で暮らしてきて、でも、観月はこんなにも自分を想ってくれていて。

 目の前の美しい少女に、和樹はたまらない愛おしさを感じた。


 和樹は観月の手をつかみ、寝返りをうつようにして、観月と体勢を反転させる。


「あっ……」


 今度は和樹が観月を布団の上に押し倒す格好になる。観月はもう胸を隠すこともできず、その白い綺麗で豊かな胸が顕になっていた。


 観月が小さく、甘い吐息を漏らす。


「兄さん……」


「俺も観月のことだけは失いたくない」


「そ、それって……」


「俺も観月とそういうこと、したいと思う」


 観月は固まり、それからぱっと花の咲くような笑みを浮かべた。


「ほ、本当ですか……?」


「嘘なんかつかないよ」


「嬉しいです。兄さんがわたしに、そ、そのエッチなことをしてくれるなんて……あっ」


 和樹は観月の唇にそっと自分の唇を重ねた。

 それは情熱的なキスだった。

 

 キスを終えると、観月が微笑む。


「子供は何人がいいでしょうか? 透子さんと桜子さんみたいな可愛い女の子が二人とか、憧れますよね」


「気が早いよ」


「早くなんてありませんよ。だって――わたしたち、今から結婚するんですから」


 観月がいたずらっぽく目を輝かせる。

 そんな可憐な観月に、和樹はそっと覆いかぶさった。


 和樹が観月の胸に手をかけると、観月は「あっ、兄さん……」と幸せそうな、甘い声を上げた。


 そして、和樹はその白い胸を優しく撫でた。柔らかさと温かさで、和樹の理性は完全に崩壊していた。


「兄さんのエッチ。やっぱりわたしの胸に興味あったんですね……ひゃうっ」


 観月が甲高く甘えるような声を上げ、そしてうっとりとした表情で和樹を誘うように見つめた。


「わたしは兄さんのものですから、わたしのすべてを兄さんの好きにしてくれていいんです」


 観月の言葉で、和樹は完全に衝動を抑えられなくなり、観月の身体に襲いかかった。











<あとがき>

初体験……! 和樹と観月の子作りに期待!と思っていただけましたら、★★★レビューで応援ください! 


新作ラブコメを今日から投稿しています。本作と同じイチャイチャ同居ものでありつつ、中学生の少年少女の青春ものです。


タイトル:孤高の天才美少女棋士は、最大のライバルの俺にだけ心を開く

キャッチコピー:初めて自分より大切な相手ができた。彼女は倒すべき敵だった。

URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330650831052038


ぜひお読みください!

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