第二話自由闊達とは行かない旅路③


ラブカの人魚については珍しいため注目を集めた。


が、よくよくこの街を見ると異世界と融合したような亜人のようなのがいる、それは犬人コボルトだったりするが、狼男ワーウルフはいないようだ、レッサーパンダの獣人もいるし、黒豹の獣人もいる、それでいて、ラブカのような人魚もうようよしていた、普遍的な女怪人のようなのも複数いた、それは機械的だったり、昆虫であったり、混ぜ物キメラだったりもする。女だけの街にしてはあまりにも異質で異常性を帯びていた。


しかし、そこに住まうのは男の子もいるので厳密には違うだろう。


パトカーがサイレンを鳴らしてたが、そこにはナイフを持った少年がいた。


彼はとても凡骨な顔つきであり、身なりは貧相、ホームレスのようである。


「俺はもうお母さんを殺したから………さて」


そして、彼は逮捕されていった。


そのもう少し先の裏路地にはそういう少年の本来あるべきような成れの果てのホームレスが沢山いた、彼等に飲料水や食料をあげているのは女装男子達であった。

 

そこに性的な意味もあるかないかは定かではないが、炊き出しをしている。


その火の気に対してとある婦警は勘づいているのがいるが、黙認している。


情報統制は拙く、いずれ、その最後の楽園が見つかってしまう可能性もある。


「さぁ、これから市役所で手続きさせないといけないわね」


着物姿の市長、その背後で連れ立っているのは忍者のくノ一の服装に暴走族、女性なのでレディースと言うべきだろう、特攻服を羽織っていた、スケバンクノイチ、それが、般若面をそれぞれつけていて、それは五人ぐらいで密集していた。


背中には金属バットしているのが二人、木刀が二人、そして、特攻服の内側のとことんまで限界まで改造しているスタンガンを忍ばせているのが一人いた。


スタンガンをしている者と木刀をしているうちの一人は妙齢で美魔女と呼ばれるだろう。木刀は赤いのが若い方で黒い方が年をとっている方であろう。


「「「「「……………………」」」」」


五人分の沈黙はその場を恐ろしいまでに凄まじく威圧しているのに向いていた。


そのうちの一人のスタンガンを持っている女は彼等と最初に遭遇した時、超反射的にそのスタンガンを取り出して、「清瀬光己、ここで会ったが百年目」と言った。


涙のようなのが落ちたとはありえないが、その殺伐とした剣呑には息を呑む。


出来るならば、直接、この女と出会いたくないと清瀬光己は常に悟っていた気がする。


アイリッシュ・コーヒーは微妙な感じだが、魔法的な肉体改造により、老婆へと変化する事が出来た、清瀬光己と清瀬邪喰は女装させられる事になった。


目の前の市長により、厳選されたファッションセンスは独特である。


安物でこそあるが、街中に溶け込むにしては最適である。

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