第二話自由闊達とは行かない旅路②


日枷護子は街を一人で彷徨っていた。


この異界、市役所の他には公立の学校、水族館、植物園、動物園、闘技場というのがあるらしい、そして、大きな公園、真城公園ましろこうえんというのは城攻めというのをモチーフにされているが、そこには海賊船のオブジェも当然のようにあるのを見た、子供達のみは男の子もいる。そこに奇妙な不潔でキモいおじさんが入ると軍事用無人兵器ドローンが飛んできてそれに銃撃されて死んでしまった。そこにいた男の子の数人が小便を漏らしてしまった。


そして、気配を殺して一人の家族についていく、ストーカー、スニーキングをする。


そして、軽自動車をちらりと中を覗く。


男の子は男子用の貞操帯ていそつたいをされていた。




どうやら超越的な性教育というやつだった。


「怖いわー‥‥‥」


なんていうかそれは度を越えている気がした。


それを嘆いてもこの異界の特質さの全貌はまだ解明されない。


そのまんま公園を通りすぎた。


その後にあったのは神社である。


鵜戸神宮うどじんぐうは、宮崎県日南市にある神社である。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社に指定されている。 日向灘に面した断崖の中腹、東西38m、南北29m、高さ8.5mの岩窟,海食洞内に本殿が鎮座し、参拝するには崖にそって作られた石段を降りる必要があり、神社としては珍しい「下り宮」となっている。境内地を含む付近の海岸は、波の浸食を受け形成された海食洞や波食棚が多くあり名勝に指定されている。それに限りないほどに似ていた。


そこには人魚が打ち上げられていた、リュウグウノツカイなのか。


「どうかされましたか?」


日枷護子は先入観を抜きにして会話する。


「ここはどこかしら?」


と、彼女は息を絶え絶えに声を絞り出す。


「‥‥‥異界だと思われます」


と、それに人魚は微笑んだ。


「やった、遂に、この異界を見つけたわ」


龍神、多見の住むのは浜名湖、そこは汽水湖、明応地震と呼ばれる1498、明応7年の大地震で遠州灘と繋がったからです。


つまりは湖と海が繋がったため、そのような人魚が入ってくるのが可能になった。


こういうのをある種の民俗学の稀人崇拝まれびとすうはいというのにも繋がっていくのだろう。


人魚は不思議な力で浮遊し始めた。


この異界は虚数空間、言い換えればディラックの海、つまり海の中、海底とも言える。


そして、日枷護子にも同行者は増えた。


「‥‥‥えーと、貴方、何の人魚だっけ?」


とてつもなく変わっている有り様だ。


それに人魚はこう言う。


「ラブカよ」

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