第一話始まりは終わりと同じ⑦

「桶狭間の戦いよろしく奇襲です」


アイリッシュ・コーヒーが闇削刑無の前に優雅にそれ故に紳士的に、彼の刀を受け止めた光輝く閃光の大剣クレイモアで受け止めた。


「ふん、アヘン戦争という下策をとった時から変わらない、卑怯千万の手段ですなぁ」


闇削刑無はアイリッシュ・コーヒーにそんな事を言う、今更感がかなりあってしまう。


「1856年に出された海防掛岩瀬忠震の意見書において、海外貿易を振興して富国強兵を推進する必要が説かれ、老中阿部正弘も岩瀬の考えを採用する方針を立てた。また、1860年に横井小楠が著した国是三論も富国論、強兵論士道の三論から構成されている。公家の岩倉具視も1867年に著した済時策で富国強兵を皇威宣揚のために必要な政策として説いている。従って、明治政府の成立後に富国強兵が採用されたのは当然の流れであると考えられる、それは警戒心だな」


軽くあらましを独り言のように言われる、その事を非難される謂れはもはやない。時代がもはや、光和となっているからである。


「その剣の銘はなんという?」


「術は秘匿するのが本来の在り方だ」


闇削刑無はそれに対してこう考察した。


「白魔術か黒魔術なら白魔術だな、日枷護子はお前の弟子だったりするのか?」


それにアイリッシュ・コーヒーは語る。


「私の弟子、そのまた弟子の孫娘だ」


日枷護子はその老人の談義に口を挟む。


「‥‥‥じゃあ、誰なんだよ!」


日枷護子がアイリッシュ・コーヒーに対して、そんな憎まれ口を叩くが、アイリッシュ・コーヒーはこんな事を言う。


「私はフロム・ソフトウェアはキングスフィールドの頃からやっている、DRAGON QUESTも1からだ、テトリスやテニスというゲーム黎明期からゲーマーの玄人だ、この男と貴女ではレベルが違う、逃げろ、この私は英国聖騎士団ブリティッシュパラディン白円卓第十三位アイリッシュ・コーヒーだ、本名は言わん」


戦闘中断、そして、忠告をしている。


道路の方に出ると川があり、車が半分沈んでいた、それは白塗りの高級車であった。


その中から清瀬邪喰が出てきた。


殺気こそないが、彼がにこやかに笑う。


「お前はもうなにもしなくていいぞ、後は俺がやる、兄貴の心の淀みは俺が灌ぐ!」


そして、角を曲がったところ。


それは鎮座していた、小さな庭、そこにはバスケットゴールが一つだけあったのだ。


家から白原薫龍が飛び出してきた。


それがバスケットゴールのゴール部分へと飛んでいき、そこから清瀬光己が出てくる。


まるでダンクシュートのように、それでいてダンクシュートではないがバスケットゴールが破壊されながら、倒れていった。


ゴシャガラッ!と、崩壊していった。


暗獄寺終音こと清瀬光己が外に出る、黒いサンダルを掃いて、苛立ちげに外出した。


「では、厄災の時間です」


清瀬光己が清瀬邪喰に対してそう告げた。



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