【ー天災ー57】
「……へ? 雄介って物資だけを運んで来たんじゃねぇのか?」
和也はそう言うと、二人の仲が少し戻ったっていう事もあって安心したかのようにソファへと座るのだ。
「まぁ、物資もやけど、俺達はココに来た理由がもう一個あんねんって。 レスキュー隊っていうんは、こういう風に災害があった時には人命救助をする為にも来るんやぞ。 せやから、暫くの間は俺達レスキュー隊は東京に居る事が出来んや。 まぁ、いつまでいられるかは分からんけどな」
「へぇー、そういう事だったんだ。 じゃあ、雄介は頑張るんだぞっ!」
「分かっておるって。 俺は望がおるんやったら死ぬ気はないからな」
確かにさっきは和也のおかげで望は雄介とは仲直りまでとはいかないのだが、完全に仲直りしたって訳ではない。 だから和也と雄介の会話は一応聞いているという状態の望。
とりあえず今の会話からすると、雄介はまだ暫く東京にいる事になったらしく、そこに安心というのかちょっと嬉しいという気持ちがあるのか会話を聞きながらも微笑んでいた。
「……たく。 妬ける位にお前等ってラブラブなのな」
そう若干ため息混じりに言う和也。
「当たり前やんかー! 俺等は恋人同士なんやからなぁ」
「そだな。 俺達の方も生存者の為に頑張らないとなー! な、望……」
「あ、ああ、そうだな……」
まだまだ東京が完全に復旧するまで時間は掛かるのかもしれない。 だがこうやって頑張る者がいる限りは早く復旧出来るのであろう。
「さて、そろそろ寝る時間かな? ってな訳で雄介はソファで寝ろよ」
和也はそう言いながら寝室の方に向かったのか雄介に向かって布団を投げ渡す。
それが雄介に見事当たってしまったのか、
「痛ったー! ちょ、いきなり何すんねん!」
「ん? 布団を投げたら、お前の後頭部を直撃しただけー」
と和也の方はそんな雄介に笑っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます