【ー天災ー】54
雄介がそう言い終えた後に望は机を手で叩くと部屋を出て行ってしまう。
「あっー! ビックリしたー!! ちょ、おいっ! 望! 何処に行くんだよっ!」
「うるせぇー!! 何処に行ったって俺の勝手だろっ!」
「まぁ、ああ、そうなんだけどな」
そう和也が最後まで言わないうちに望は部屋を出て行ってしまう。
「ほら、お前がちゃんと望に言ってやんねぇから、望の奴、怒っちまったんじゃねぇのか? どうするんだよ!」
「せやけど、今の俺には望の事、止めに行くなんて事出来へんし」
「……ったく。 何なんだよっ! 何で、今日のお前はそんなに弱気なんだ!?」
和也は立ち上がって雄介の元へと向かうと、いきなり胸ぐらを掴むのだ。
和也も今の雄介には相当頭にきているのであろう。
「お前なぁー、いい加減にしろよっ! お前がいなくなってからの望の気持ち、お前に分かるのか!?」
だがそれでも雄介の方は口を開こうとはしない。
そうだ雄介自身今回の事は自分が悪いんだと分かっているからこそ、なかなかその理由を口にしないのであろう。 もう今回の事に関しては百パーセント自分が悪いのだから、ただひたすらに望に謝り通して許してもらうしか思っていないのかもしれない。
「あぁ!! もういい! 雄介がその気なら、もう、今後一切、望に近付くんじねぇぞ!」
その和也の言葉に流石の雄介も、
「……おい! 流石にそれはお前に言う権利はないやろうがっ!」
「今の望の気持ちをお前にぶつけてやったまでだ! きっと、望だってそう思っていると思うぜ」
「なんやとー!」
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