【ー天災ー】1

※この章では地震の要素が含まれる為、苦手な方はお気を付けてお読み下さいませ。




 あれから二人は一緒に暮らすようになっていた。


 だが二人共忙しい仕事をしているため滅多な事では本当会えない生活をしている。


 そう望の場合には医者という仕事上、不定期の休みに帰る時間だって不定期。


 雄介の場合には仕事は二十四時間勤務で次の日は確かに休みなのだが、望が遅く帰ってくれば会う時間なんて無いに等しいのだから。


 同じ屋根の下で暮らしているのにすれ違いの生活をしていしまっている望と雄介。


 近くにいるのに遠い存在。


 これではまるで遠距離恋愛しているのと同じ事なのかもしれない。


 ただ違うのは同じ屋根の下に住んでいるという事だけだろう。


 もう一つ違うのは同じ屋根の下なのだからお互いの温もりを感じる事が出来るという事だろうか。


 同じ屋根の下で住んでいるのにこんなにもすれ違いの生活というのは起こるものなのだろうか。 いや二人が特殊な職業に就いてるからこそすれ違いな生活を送ってしまっているのかもしれない。


 そこはもう神様のイタズラなのか? いやそれは違う。 これは二人にとって現実的な話なのだから。


 だがそんな二人に追い打ちを掛けるような出来事がこれから起こるとは誰も思っていない事だろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る