【ー天災ー】2
そんなある日。
いつものように雄介は朝消防署へと出勤していた。 今日もいつもと変わらない仕事場だと思っていたのだがどうやら違うようだ。
そう今日は掲示板の前には人だかりが出来ていて何やら騒いでいるのだから。 流石の雄介もその騒ぎが気になって掲示板の前に向かうのだ。
その掲示板を見た瞬間、雄介は時が止まったかのように、その場で足を止めてしまう。
いや足だけではない。 全身の動きを止めていたのかもしれない。 息だって止めてしまうような事がその掲示板には書いてあったのだから。
顔も体も頭も何もかも思考停止状態になってしまう雄介。
そして口を開けるようになった頃には、
「……へ? 嘘やろ? これ、夢やないよな?」
何度、目を擦って見ても目の前に書いてある出来事は変わる事はないだろう。 これが夢なら覚めて欲しいとも思う状況が目の前に広がっていた。
この事が嘘であって欲しい。
今やっと望と一緒に幸せに暮らしているのに例えそれが擦れ違いの生活を送っていたとしてもそれはそれで良かった。 現実とはこういうものなのであろうか。
雄介はそれを見ると体を引き下げ息を吐く。
そこには雄介をドン底に落とすような事が起きていたのだから。
そして、ゆっくりと立ち上がると、とりあえず自分の机へと向かうと顔を机へとうっ潰す。
今の雄介にとってそれだけショックな事がその掲示板には書かれてたのだから。
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