【ー記憶ー】66
「ええから、ええから……たまには気分転換も必要やからな」
「……って、俺は、そういうのは苦手なんだけどな」
そう望が言ってる側から雄介はゲーム機にお金を投入してしまったようで、望は雄介に付き合いそのゲームをやる事になってしまう。
「ほら、望……それ持ってー」
半分強制的に雄介にそのゲームをやらされたのだが、何故だかそのゲームにハマってしまい二、三回とやってしまっていた。 勝敗の方も五分五分でなかなか望の方も初めてというわりには頑張っていたようだ。
「もう、ええかな? 流石に疲れたし、暑いしな」
「そうだな。 何だか久しぶりに夢中になっちまったような気がするしな」
「ほな、暑いし、今ので喉乾いたし、あっこで一休みしようか?」
「ああ、そうだな」
屋上にあって、一応デパート内にあるファーストフード店に入る二人。
そこは屋上内ではあるのだがギリギリデパートの建物に入っているからなのかエアコンも効いていて涼しい所だ。
今までゲームに夢中になっていた二人にとってはそのエアコンの風が心地良い位なのであろう。
とりあえず二人は適当の商品を選ぶと席へと腰を落とす。
「はぁー、暑かったわぁ」
「……だな。 なんか俺の方も久しぶりに汗掻いたって感じだったしさ」
二人がそう話をしていると、
「なんか臭わへん?」
「別に臭わないけどな?」
「俺の気のせいやろか?」
「そうなんじゃねぇ?」
雄介は難しそうな顔をしながらキョロキョロと辺りを見渡す。 だが何か起きているという気配はないようだ。
「気になるんだったら、見て来いよ」
「え? あ、まぁ、そうなんやけど」
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