【ー記憶ー】65
「ナビが出る前に買った車だったからな。 それに昔っからこの辺に住んでるし、この辺の地理は頭に入ってるしな、だから、必要ねぇって思ってはいたんだけど」
「確かにそれやったら、必要ないのかもしれへんね」
二人は話しながら駐車場を出ると、デパートへと通じるエレベーターへと乗る。
「何階に行くつもりなん?」
「別にこれっていう用事はねぇんだけど」
「無計画に乗ったんかいな」
雄介は望には聞こえないような声そうツッコミむのだ。
「なんか言ったか?」
「なんも言うてへん」
「じゃあ、とりあえず屋上に出てみるか?」
「ええよ……そこで……」
やっと目的地を決めた二人はエレベーターで最上階にある屋上へと向かう。
屋上に到着すると、そこには小さな子供が遊ぶような小さな遊園地みたいなのがあって子供達が楽しそうに遊んでいる姿が目に入る。
「昔、俺も遊んでたなぁ」
「俺もやで……あの汽車に乗って、楽しんでおったの思い出したわぁ。 子供ん頃はあんなにでっかく見えていた汽車とかも今ではかなり小さく見えるもんなんやなぁ」
「それは、お前がでっかくなっただけだろ?」
そう望は突っ込むものの雄介はそれを流し、直ぐに他の話へと変えると、
「なぁ、なぁ! 望! エアーホッケーやらん?」
ミニ遊園地の奥にある屋根付きの場所にはこちらもレトロなゲームが置いてあった。
それを見つけ雄介は一人はしゃぎ始める。
「俺、そういうの苦手なんだけどな」
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