【ー記憶ー】43
それを終えると体を休める為にベッドへと横になる。 また明日も仕事があるのだが、明日明後日と仕事を終えればまた雄介に会える事が出来るのだから嬉しい気持ちのまま望は瞳を閉じるのだ。
それから毎日ではないけれどほぼ毎日のように雄介はいつもの場所で待っていて望の家に行っては食事を共にし、その後には帰宅という事を繰り返していた。
いつものように食事をしていた雄介だったのだが、今日は珍しくあまり話そうとしない。
「ごちそうさま」
そう雄介はいつもより元気の無さそうな声で挨拶を済ませる。 食事の方もいつもの半分位しか済ませていないのに、もう、ごちそうさまをする雄介に望は首を傾げるのだ。
「ん? お前、もう……いらないのか?」
「ああ、今日はもうお腹いっぱいやねんって」
何かいつもと雄介の様子がおかしいと思った望は雄介へと近付き額へと手を当てる。
「ちょ、おい……な、何してんねん!」
「『何してんねん』ね……」
望は雄介の真似をすると、腕を組んで雄介の事を真剣な瞳で見つめ、
「流石に俺の目は誤魔化せねぇぞ、食事しなきゃならねぇって奴が今日は食事を残すし、様子がおかしいから額に触れてみれば熱あるし、体調が悪いんだったら早く言えよっ!」
「そんなん怒らんでもええやんか」
「怒るに決まってんだろっ!」
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