【ー記憶ー】13
脈の方は正常に動いていて望は安堵のため息を漏らすと、望の耳に入って来たのは雄介の寝息だ。
その寝息を聞いて小さな声で突っ込みを入れる望。
「おい……」
しかし確かにこのままゆっくりと寝かせたい気持ちはあるのだが、お風呂場での事故は多い。
望は仕方なしに雄介の事を起こす事にしたようだ。 そうだ、もしこのままにしておくと危険な状態になるのは間違いないのだから。
そのまま放っておいたら溺死してしまう可能性だってある。
「……雄介」
そう考えると、望はそっと雄介の名前呼んで起こすのだ。
「あ……先生……どないしてここに?」
望の方は心配して雄介の事を起こしたのにも関わらず、当の本人は未だ寝ぼけているのであろう。 起きた早々にボケをかましてきた雄介に望はため息漏らすのだ。
「……まったく。 寝ぼけてるんじゃねぇよ。 ここは俺の家だ。 お前は今日、ここに泊まりに来たんだろうが」
「あぁ! そうやったな。 そんでも、何で望はここにおるん?」
「お前がなかなか風呂から上がって来ないからだろ? だから、心配して様子を見に来たら、お前は寝てたって訳で。 風呂場で寝るって事は危険な事なんだぞ」
「ああ、そういう事やったんか、スマンかったな。 その話なら知っとるで、でもな、疲れた体っていうのは言う事聞かへんようになってくるしな。 まぁ、特に眠い時はな。 今日はめっちゃ疲れておったんかな? いつのまにか睡魔に襲われていたような気がしたわぁ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます