【ー記憶ー】10

「荷物はそこら辺に置いておいていいからな。 後は俺がやっておくし。 とりあえず、自分が食いたい分だけ出しておいてくれたらいいからさ。 後、先にシャワー浴びて来いよ。 どうせ、泊まる気で来たんだろ? さっき、コンビニで下着も買ってたみたいだからさ」

「あ、ああ、まぁな」


 雄介にそう言いながら望は今買って来た品物を整理するのだ。


「……望」


 やっと二人だけの空間になれた瞬間に、雄介は望の背後へと回ると後ろから望の体を抱き締める。


 雄介は平均身長よりかなり上で結構身長の方はあって百八十一cmと大きいのだから身長百七十五cmの望の体をすっぽりと覆う事が出来る。


 普通、好きな人から抱き締められたら誰しも嬉しい事だ。


  しかも恋人になったばかりの二人にとってはこうしていられるのは本当に嬉しい時間なのかもしれない。 だが望は雄介に向かって、


「離せよ……」


 と雄介に向かって突き離すような事を言ってしまっていた。

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