【ー記憶ー】9

 話をしている間に車は中庭を抜けガレージの中へと入る。 しかし門の外から見てても広そうな家だとは思っていたのだが、やはり外見からの通り中の方は本当に広かった。 門や家はどれくらい前に建ってるのかは分からないのだが、建物は古く見た目は洋館風。 中庭の方は芝生が青々としていて整えられている所から見るときっと植木屋さんでも呼んで剪定でもしてもらっているのであろう。 ガレージはきっちりと車をおさめられるようになっているのかシャッターも付いていた。 周りも木々に囲まれていて周りが現代風のマンションとか一軒家とかある中で逆に言えば現代に取り残されてしまった家とも言うのかもしれない。


 きっとこの家は代々この場所で住んで来たのであろう。 


「着いたぜ」

「ああ」


 二人は車から降りると、望は車の運転で疲れたのであろうか体を天に向かって伸ばす。


「そうだ! 飯は買いに行かないとだけど」


 そう言う望。


 雄介の方も体を伸ばしながら、そのでっかい屋敷を眺めていたのだが、いきなり望にそう言われ反応するのが遅くなってしまったらしい。


「……へ? 今からだったら、もう、コンビニしか開いてへんと違うの?」

「ん、まぁ、コンビニは直ぐそこにあるぜ」

「あー……そういう事な」


 そう決めると、二人は今来た道の反対側へと足を進める。

 

 望が言うように望の家から歩いて五分程の所にそのコンビニはあった。


 望は籠を持ち適当に食べたい物を入れていく。


 最後にお酒コーナーへと足を向けると、アルコール類も何本か入れレジへと向かうのだ。


 籠には二人分の物が入っているからなのかコンビニでこんなにも買うのかっていう位品物が入っていた。


 やはり、それ程買い込んだけあるのであろう。 会計を済ませると五千円位にはなっていたのだから。


 望はそれをクレジットカードで済ませる。


 コンビニを出る頃にはレジ袋ニ袋分も買っていてそれを雄介は持つのだ。


 そして雄介は先程のコンビニで買った品物の割り勘分を望へと渡す。


 再び家に向かって歩き出す二人。


 望は家へと到着すると、先に入って買って来た荷物を一旦玄関へと置いてから部屋へと入り部屋の電気を点けて行くのだ。


 電気を点け終えると、再び玄関へと戻ってくる望。


 そして荷物を持った雄介の事をリビングへと案内するのだ。

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