第72話
「神の許可が出たら教えるのは問題ないですよ?良いよね、沙希?」
「問題ない。次いでにアレーネにも教えるいい機会」
この世界の人に勝手にルーン魔法を広めて神々の怒りをかう可能性を考えると、アレーネに教えることが出来なかったからね。
確かに今回はアレーネにルーン魔法を教えるいい機会かもしれない。
それに、竜に恩を売ることができるってのはかなり大きい。
それに、ただの竜じゃなくて神にも顔が効くすごい竜みたいだし。
「それじゃ今日はこれで失礼するわ。神々に許可を取りに行かないといけないし」
そう言って、竜は何処かに消えてしまった。
「生きてるって素晴らしいな」
平原の仰向けに倒れ込む。
竜との会話とかホント精神をガリガリ削られた。
神と普通に会話しておいて今更何言ってんのって思う人もいるかも知れないけど。
それはそれ、これはこれ。
神と話す時だって、精神すり減らしながら会話している。
「自分の知らない知識を求めて、世界中を飛び回っている賢竜と呼ばれる竜の昔話があるんですけど。もしかして本人なんでしょうか?」
竜が自分の知らない知識を教えてもらう代わりに、知恵を授けたり、竜として戦い力を貸したり。
知識の収集のついで、ではあるけど人々を助けて賢竜と呼ばれるようになる、そんな話らしい。
アレーネ的には、創作のお話だと思っていたようだけど。
少なくともモデルとなった竜は存在するらしい。
と言ってもエルフからもそう言う認識だったって事は、実際にさっきの竜が知識の収集の為、世界中を飛び回っていたのは相当昔の話なんだろう。
「ところで、ダンジョンの探索続ける?」
ダンジョンの探索を始めた理由って、島の主であろう竜から逃げるためだったからな。
その竜が、現時点では中立的な存在で、会話もなしで突然殺されると言うことは無さそうだからな。ダンジョンに籠る必要性がなくなってしまった訳だ。
「設置物がダンジョンに吸収されないならダンジョン内を拠点にしても良いんじゃない?」
外に比べてダンジョン内の方が魔物の数が少ないし弱いから安全だし。
問題はダンジョンにテントとかが吸収されちゃわないかってところだね。
ゲームとか小説の設定だと。ダンジョンが設置したもの以外は、ダンジョンに吸収されるってこともあるし。
(人が近くにいれば、吸収されることはありません。なので、テントを設置したまま別の場所の探索を始める見たいなことをしなければテントがダンジョンに吸収されることはありません)
それだと、毎回テントを沙希の異空間収納に仕舞わなきゃダメな訳か。
テント以外にもトイレとか料理するための鉄板とか設置したいものは複数あるし。
その人間がいれば吸収されない範囲ってのも曖昧だし。
ダンジョンの中に拠点を作るのは止めておいた方が良いかも。
そうしないと行けないって状態ならともかく。
かと言って、元々拠点として使ってた場所まで戻るのは面倒だし。
ダンジョンの近くに新しく拠点を作るか。
木を切ったり魔物を排除したりやることは沢山あるけど。
多分何とかなるでしょ。魔法を使えば木なんて直ぐに切れるし、魔物も光神ティリスの神像を設置すれば、離れていくだろうし。
「折角だし。このダンジョンの近くに拠点を設置し直そうか。前の場所まで戻るの面倒だし。何かあった時にダンジョンに直ぐに逃げれる方がい良いでしょ?」
(ダンジョンの入口である魔法陣を中心に半径100m円状には魔物は入る事が出来ないので、それを利用すれば安全な拠点を作ることができますよ)
そうでもしなきゃ、ダンジョン内から転移で外に帰ってきた瞬間、魔物に攻撃されるとか起こりそうだもんね。
特にこの島だと。
転移直後なんて1番無防備なタイミングだろう。
そこを狙われるのを避けれるのは大きい。
って思ったけど。竜も魔物だよね?
半径100m内どころかダンジョンの中にまで直接入ってきたんだけど。
(アレはもう一部の例外です)
まぁ、そうなんだろうね。
とりあえず来た道を帰ってダンジョンから脱出する。
途中で、ダンシャクって言う。
某トイな物語に出てくるじゃがいも頭な玩具そっくりな魔物が出てきたので倒したら、ジャガイモのカードをドロップした。
カード一枚で、ジャガイモは10個手に入るようなので、ジャガイモが一瞬で大量に手に入った。
ポテトフライでも作ろうかな。
ダンシャクは群れ?で襲ってきたので、半年分には、なるんじゃないかな?って量のジャガイモだからな、こまめに消費していかないと。
カード化しているので、そんな心配をしなくても腐らないけど。
このダンジョンに入る度に大量のジャガイモが手に入ると考えると。
どう考えても消費しきれない。
売却すればなんとかなるかな?
流石に値崩れを起こすほど手に入ることはないだろうし。
ないよね……?
それにしても、外にはゴブリン・シーフがいるし、ダンジョンの中にもダンシャクがいるから、野菜について心配する必要が無くなったな。
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読んで頂き有難うございます。
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