第69話
「ダンジョンの中でも平原が広がっているなら長期間籠ることも不可能じゃない…かも?」
絶対大丈夫とは言えないもんな。
(ダンジョンには、前回探索していた場所から再開みたいな便利機能ついていないので、ダンジョンの中に数ヶ月籠ると言うことは割と有り得る話ですよ?)
一日で最下層まで行けるダンジョンの方が少数で、最短ルートを知っているダンジョンでも数日かかるのが普通。
難易度が高いダンジョンでは数ヶ月ダンジョンの中に籠るのも当たり前らしい。
この世界の人すごい精神力してるな。
今後、ダンジョンに行った時のために、ダンジョン内に長期滞在する練習と思えば丁度良いか。
今回のダンジョンの中は平原が広がってるみたいだし。
生活するのが辛い環境ってわけじゃ無さそうだからな。
そうと決まれば、急いでテントを回収して、早くダンジョンの中に入ってしまおう。
沙希の異空間収納に全部ぶち込むだけで済む話だし回収作業はすぐに終わる。
そこからダンジョンに向かって移動を始めて、魔物たちの様子が戻り始めたぐらいのタイミングで、ダンジョンの入口である魔法陣のある場所まで到着した。
「竜から放たれるオーラ言うか威圧と言うか、それが少し少し弱くなったら、、魔物たちも、ちょっとづつ活動を再開し始めたな」
竜が意図的に弱めたのか、俺たちが竜の圧に少し慣れたから、弱まったように感じたのか判断できないけど。
魔物たちが活動を再開し始めたのは事実でのんびりしていると、魔物に囲まれて戦闘になってしまうので、急いでダンジョンの中に侵入した。
「本当に平原だな」
所々高低差はあるけど。ほとんど平面で移動も楽そう。
ところどころ森があるのも確認できるな。
目視できるところに魔物は確認できない。
「どうしよっか?テントを設置できる場所探しをする?それとも、普通にダンジョン探索する?」
テントはたたまないで、ペグを打った土台ごと、そのまま異空間収納に仕舞ったから、異空間収納から取り出すだけで、普通に使用出来る状況になっているので、急いで設置場所を探す必要もない。
「どっちを選んでも結局変わらなくない?」
確かに、どっちにしてもダンジョンの中を歩くことになるし、選択肢になってなかったか。
結果としてダンジョンを探索しながらテントを設置するのにちょうどいい場所を探すってことだな。
「ほぼ平坦な草原だから、馬車で移動することも出来そうだけど……」
出現する魔物の種類、トラップの有無。何もわかってない状況だからな。最初はゆっくり歩いてそこら辺の把握から始める必要がある。
「最初から何も考えずに突き進むのは危険。歩いて進むべき」
「だよね〜」
3人で先ずは歩いてダンジョンを進む。
森の中もどうなってるのか、気になるけど。
先ずは、森の中には入らないように歩く。
「角の生えたうさぎかファンタジーの定番だな」
歩いていると、地球の額から角が一本生えてる、地球の大型うさぎぐらいのサイズがあるうさぎとエンカウントした。
(ホーンラビットですね。Fランクの魔物で、角を使った突進攻撃に注意してくださいと言いたいところですが。マスターを含め今ここにいる人でFランクの魔物に苦戦する人はいないでしょう)
そうだね。アレーネだってFランクの魔物なら精霊の力を借りなくても倒せる強さだ。
伊達に3日間も大量の虫系の魔物と戦っていない。
そもそも、アレーネは銃のエイム能力が可笑しいからな。
エイムを補助するようなスキル持ってない筈なんだけど。
「誰が倒す?」
うさぎは好きだから、敵対して来ないなら見逃すつもりだけど。
確実に敵対心むき出しなので、見逃すつもりはない。
見逃したって逃げないだろうし。
「私がやります」
アレーネがショートソードを構えて、そう答える。
確かに周りにほかのホーンラビットは見えないし。
アレーネが近接戦闘の訓練相手には丁度いいか。
アレーネは近づかれた時の対処が全く出来ないのは問題だって言うことで、少しづつショートソードの使い方を勉強している。
ショートソードの型とか全く知らないので、魔導知能がユグドラシルから調べてきたショートソードの型を教えて貰ってる。
草刈鎌での戦い方なら教えてあげられるんだけどね。
分銅を使わせると上手く使えないだろうし鎖鎌を使わせるって選択肢はないけど。
魔導知能がそろそろ実践で試しても良いだろうって言ってたし。
今となっては大して強くないホーンラビットで試すのは悪くないだろう。
そう思ったので、ホーンラビットから距離をとる。
追加で魔物が現れないか警戒だけしておく。
ホーンラビットはスタンピングして機嫌を悪そうにしている。
見た目はウサギでも魔物だからな。
完全に舐められてることを理解してキレてるんだろう。
アレーネの戦闘をそのまま見ていたかったけど、どうやらお客さんだ。
まだ、遠いけど。何かがこちらに向かって走ってくる。
アレーネの邪魔をさせる訳にはいかないしこっちは俺が片付けよう。
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