第59話
少しバタバタした朝食が終わって、お茶を飲みながら今後の方針会議をした結果。全員で、食材集めを兼ねた周辺調査を行うことになった。
主にトレント・フルーツ狙いで。
それぐらい、トレント・フルーツからドロップしたマンゴーが美味しかった。
マンゴー以外にも色んな果物をドロップするようなので、トレント・フルーツは見つけ次第確実に倒す。
ダンジョンは?って話もしたんだけど。
ダンジョンに入らなくても魔物が沢山いるしダンジョンは今すぐ挑戦する必要ないという結論に。
刻印銃の弾丸の改修を終わらせて起きたいので、周辺調査は今日の午後から、ということになった
(そんなすぐに終わらせられるんですか?)
まぁ、そんな時間はかからないでしょ。多分
方針会議中に魔導知能に作っておいて貰った彫刻刀っぽい道具を使って魔力物質化を使って作った弾丸に刻印を彫っていく。
ただ、インクを使って刻印を書くよりかなり大変だけど。1個作れば、書くより楽になるからな。
2時間ぐらいかけて、爆発と崩壊2つの刻印を別々に彫った弾丸1つづつ完成させる。
後は彫った刻印にスライムゼリーを流し込んで乾燥させれば、しっかり効果が発動する。
その前に刻印を彫った状態の弾丸を見本にして、魔力物質化で刻印が彫られた状態の弾丸を大量生産する。
魔力物質化でコピーした方も彫った場所をスライムゼリーを流し込めばしっかり効果が発動する。
ちなみに工業機械で刻印を彫ったものにインクを流し込んで乾燥させても、効果は発動しない。
刻印を彫る時に魔力を消費しながら彫る必要があるから。
なら、工業機械が刻印を彫っている間、人間が魔力を流し込んどけばいいんじゃない?
って思ったんだけど、そう簡単な話では無いらしい。
兎に角、魔力物質化で完成した弾丸にスライムゼリーを流し込んで、時間いっぱいまで、改良弾丸を製造した。
「爆発弾の方は、爆発した時に弾丸は木っ端微塵になるから。量産しやすいようにした以外は特に変わってない。通常弾の方は撃った後に崩壊って効果で、砂になって回収されないように対策した」
砂なら風で直ぐに辺りに散らばるだろうし、それを一々回収しようなんて考える人はいないだろう。
そもそも、弾丸を拾われて魔石と似たような素材で作られてるとバレなければ良いので、このぐらいで充分だろう。
この世界の魔石はBランク以上の魔物が確率でドロップするものなので。
それに似た素材を、自作することが出来るなんて知られたら、大変なことになるからな。
これで準備は終わったので、全員で森の中に入って行った。
「多分、虫の魔物だらけ、とは事前に言ってましたけど。ほんとに虫だらけですね」
森の中に入ると虫系の魔物たちから熱烈な歓迎を受ける。
3人で倒すにはキャパオーバーなので、分体に前衛をやらせて、後ろからチマチマ攻撃している。
沙希に関しては、森の被害を考えなければ、1人でもなんとかなるだろうけど。
長い期間、暮らす予定の島なので自重して貰っている。
「手のひらサイズの蚊の群れとか流石にゾッとした」
確かにあれは俺もゾッとした。あんなのに刺されて吸血されたら貧血どころの話じゃない気がする。
「それにしても、魔物の襲撃が終わらない。
流石に数多すぎでしょ」
数が多いってレベルじゃないぞこれ。
(昆虫系の魔物は繁殖が早いと言う特徴があるとしてもこの数は異常ですね。とは言えこの密度で魔物がいることを考えると、ポップしたのではなく。繁殖で増えたとしか考えられないのですが……)
魔物が生まれる方法は、自然界の魔力に含まれる闇神の魔力が集まって生まれる方法と魔物同士で交尾して繁殖する方法の2種類だと言われていて、前者だと魔物の密度が一定以上になると、ポップしなくなるらしい。
この森の魔物の密度は確実に、その密度を超えているので、交尾して繁殖したとしか考えられないけど。
それを踏まえても数が異常だと魔導知能が言っている。
まぁ、無人島だったし倒す人がいなかったからこうなっちゃったんじゃない?
当分、魔物たちの繁殖速度を超える勢いで、倒して行けば、魔物の数もいい感じに収まるんじゃないかな?
(確かにそうかも知れませんね。と言ってもこのままでは、周辺調査がまともにできませんね)
無理してする必要も無いし。レベル上げのための魔物退治って考えれば悪くない。
なんか爆発弾の威力が上がっていて、Dランクの魔物でも数発で倒せる様になってるからアレーネも普通に魔物を倒せてるし。
アレーネの契約している精霊も最初に比べてかなりパワーアップしている。
そう言えば、何で爆発弾の威力が上がってるの?
(効果を付与するものと、インクとして使う材料の質、魔力との相性が高ければ高い程。付与する効果の性能が上がると言っていましたよね?)
確かにそうだね。
(マスターのレベルが上がったことで、スライムゼリーの質が上がったことが原因でしょう)
成程ね。魔力との相性は変わらなくても、レベルを上げれば質自体は良くなるわけか。
やっぱりレベル上げは重要だな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んで頂きありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます