第55話
「アレーネは……気絶しちゃったか」
地面に無事着陸して。アレーネの方を見てみると、気絶していた。
まぁ、紐なしバンジーを強制させられたと考えたら。
アレーネの反応の方が正常だろう。
アレーネの看病は分体に任せて、寝る場所を確保してしまおう。
「沙希。無人島BBQの時の荷物を持ってきてるなら、あのテントも持ってるよね?」
テントと言ってもグランピングに使うような、デカくて丈夫なテントなので、数ヶ月ぐらい暮らす家として使う事も可能だろう。
空間拡張を初め刻印術で魔改造しているので、かなり快適だし。
「勿論」
「なら、設営しちゃおう」
馬車で着陸するために、できるだけ平で木とかも生えてない場所を探したので。
テントはこの場で設営できるし。
「地面に直接だと。地面から攻撃してくる魔物が出てきたら危なくない?」
それもそうか。
「魔法で土の土台を作るから勝吾はその土台を刻印術で強化して」
ズズズズズと地面が振動し出して、地面から。校庭で全校集会をする時に校長先生とか喋る人がのるアレを大きくしたようなものが生えてくる。
階段の部分まで、しっかり再現されているので、土台の上に乗るのも楽ちんだ。
土台に刻印術を使って強度を上げて、ようやくテントの設営に入る。
沙希が魔法で、この土台を作った時点で、土で作ったにはありえない強度をしているのに、刻印術で更に強度を上げてるので、ペグを刺すのがすごい大変だった。
「いや〜。中、本当に広いね」
テント本来の広さでもダブルベットを2つ余裕でおける広さがあったけど。
空間拡張で広さを3倍まで大きくしてるので、衝立を立てで区切って部屋を複数用意することもできる。
ベットなど、沙希が持っていた家具を設置して最低限暮らせるようにする。
最低限のレベルが高いけど。
「これで、寝床の確保は完璧だけど。レンガの竈とか作っておかないと、料理ができない」
今は事前に作っておいた。料理が沙希の異空間収納に仕舞ってあるけど。早めに竈を用意しないと料理ができない。
実を言うと、発熱の効果を付与した鉄のプレートが有れば、鉄板焼きに使えるので、竈より簡単だし、使い道も多いと思うけど。
竈は竈で使い道有るからね。
なんなら鉄のプレートは、沙希が持ってると思うし。
……先ずは、レンガで鉄のプレートを開ける土台を作るか。
魔力物質化を使って、レンガの形に魔力を物質化してレンガとして使う。
コの字型の土台を作って上にプレートを置けば。簡易調理台の完成。
下の空間なくてもいいんだけど。
した方向にも熱を発してくれるので、下にパン生地を置く台をさらに作れば竈を作らなくてもパンを焼けるかな?と取り敢えず今は空間を開けておいた。
「後は自給自足できるように、畑を作ったりすれば、ひとまず何とかなるかな?」
急成長させる分、味は落ちるけど沙希の魔法で急成長させることも可能だから、野菜が無くなるということは無いだろう。
「とりあえず。これ以上は明日でいいでしょう?久しぶりにベットで寝たいし、お腹すいた」
それもそうだな。
「気絶している間にすごい発展してる!?」
どうやらアレーネの意識が戻ったようだ。
「もう大丈夫?」
「何回も死んだと思いましたけど何とか……帰りも同じ方法で帰るんですか?」
「いや、帰りは暇つぶしがてら、造る船で帰ろうと思ってるけど?」
今回のあれは、前半に関しては、俺が一度やって見たかったってのもあるけど。
一番の理由は、船造ってる時間は無かったから。
無人島に到着しちゃえば時間はあるから、ゆっくり船を造ることが出来る。
「勝吾さんが作るんですか?」
「まぁ、俺しかいないし」
船なんて造ったことないから、何度か実験する必要はあると思うけど。
時間があるんだから、むしろ丁度いい。
「お願いですから。まともなものをお願いしますね?」
今回の移動方法はかなりトラウマになってしまったようだ。
まぁ、今回より酷い事にはならないはず……多分。
海に魔物がいることを考えると、振り切るためにある程度、速度が出るようにしないといけないから。若干の不安はあるけど。
それに関しては、魔物に船を破壊されるよりかマシだと我慢してもらうしかない。
「出来るだけ安全性の高いものが出来るようにかんばりはするよ?時間もあるし」
今日は、今まで移動してきた疲れもあるので、今から料理を始めたりせずに、既にできてるものを食べて直ぐにベットに入って横になった。
「神像を作ってくれれば。この島でもレベルアップできるようにするか……」
昨日寝ている間に、光神ティリスが現れて、神像を用意してくれれば、この島でもレベルが上がるように出来ると言われた。
確かにレベルアップするには教会に行かなきゃいけないから。
今のままだと、レベルが上げられないんだよね。
この島に来るまでにも、それなりの数魔物を倒してるから既にレベルも上げられるだろうし。
取り敢えず。神像作りは何時もの如く魔導知能に任せよう。
俺が頑張って作るよりいい物ができる気がするし。
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