第53話

「磯とまではいかないけど。かなり大きめな岩がゴロゴロしてきたな」


10分ぐらい、砂浜を歩いていると。

少しづつ生き物が隠れられそうな岩が、増えていき。

磯と砂浜の中間見たいな地形に変わって来た。


もっと先に進めば、完全に磯に変わりそうだけど。ここらへんで一回、食べられそうな生き物を探してみるか。


沙希が地球から持ってきてくれた執事服は、完全防水を付与してあるので、そのまま海に入っていっても問題ない。


海水の中を出来るだけ音を出さないように岩に近づいて行き。

生き物が隠れてないか探す。


「あれはウニだよね?」


見た目はウニなんだけど、ピンク色をしていて若干不安になってくる。

後、ウニと言っても。ムラサキウニみたいな一般的に食用とされるウニじゃなくて、棘に毒があるガンガンそっくりなんだよね。


ガンガゼも棘を気をつければ、食べれるらしいけど。

こっちの世界でも同じとは限らないからな。


(この世界では食用と認識されてないですが。毒もなく食用化のようです)


鑑定、自分でも使って確認しても良いんだけど。魔導知能が鑑定してくれるし、更にそこから。情報検索してくれるし。

そう言えば、この世界の情報を集めて管理しているサーバーって、なんか名前ついてないの?


(ユグドラシルと呼ばれています)


なんと言うか、らしい名前だな。

後、北欧神話の神々と親交がある身としては、なんでその名前?って気も少しある。

理由を知りたいって程気になるわけじゃないけど。


(そう言えば、ユグドラシルへのアクセス権限が強化されてたんですよ。後〈鑑定〉が〈鑑定改〉に進化していました。なにか心当たりありませんか?)


心当たりと言うか十中八九ロキさんの仕業だろう。

あの神様以外そういう事を無断でやりそうな存在と遭遇してないもん。今のところ。


ユグドラシルのアクセス権限の強化については俺が知ってもやれることは無いから、説明は要らないけど。

鑑定改については、どう強化されたのか気になる。


(先ずは、マスター自身では、鑑定を発動出来なくなりました)


ダメじゃん。進化じゃなくて劣化しちゃってるじゃん。


(と言うのも。鑑定改を使って流れてくる情報は、人一人の脳では到底処理しきれない量なんです。その分詳しく調べることが出来ますが)


成程。スパコン並みかそれ以上の演算能力を持ってる魔導知能がいれば、鑑定改を活かすことができるってことね。

と言うか。魔導知能が使うこと前提の強化をしたってことだな。


(その通りだと思います。地味に凄いのが種族名や名前のみでは有りますが。人物の鑑定も出来るようになったところです)


だから、さっき遭遇したヒューマンスライム達の進化先まで、すぐに見破ったのか。


俺も、同族だからか、相手がヒューマンスライムだってことは直ぐに分かったけど。

進化しているのかとかは全く分からなかったのに、何で分かったんだろうな?ってちょっと気になってたんだよね。


2人とも、俺と同じように、見た目は普通の人間だったし。

聖光を浴びた後はシャドウの方は擬態が解けて、人の形をした真っ黒なスライムゼリーになってたけど。


因みに、ヒューマンスライムの色を変える擬態能力は本体のみが使える。

分体でも使えれば、馬の姿に変身させて馬車を引かせても全く不思議がられなかっただろうに。


まぁ、人物鑑定が出来るようになったのは凄くでかい。

俺が一々、相手の名前を覚えなくても、魔導知能に聞けば分かるってことでしょ?


(まぁ、そうなんですが……)


何だろう、魔導知能に感情を表現する顔があったらジト目で見られてた気がする。


なんか間違ったこと言ったかな?


(そんなことより。今は海産物の採集中では?)


なんか凄い無理やり話題を変えられた感じがするけど。魔導知能の言う通りなので、黙って海の幸探しに戻る。


この真っピンクなウニは食べれるってことね?


(毒がないとは言いましたが、それは食べる部分にという話で、棘にはしっかり毒があるので、刺さらないように注意してください)


危ねぇ。毒がないって言われたから普通に触ろうとしてた。


(HPが無くなるまでは、毒状態になっても実際にダメージを受けることはありませんけどね)


あぁ、そういえばそうか。毒になると、先ずは、HPがジワジワ減って。

HPがゼロになると、体に毒がまわり始めて、ダメージを受けることになると言った感じらしい。

冷静に考えてみれば。こんな派手な姿をして美味しかった場合。

乱獲されるのが目に見えてるからな。

何かしらの防衛手段を持っていると言うのが普通か。


ウニ自体俺がそこまで好きなわけじゃないけど。

たまに食べたくなるぐらいには好き。

真っピンクだから見つけやすいし。

魔鹿角ナイフを使って棘に触れないように採集していく。


移動中にマジックバッグをいくつか作ってあるから、荷物がいっぱいになる心配をする必要は無い。


刻印術で作ったマジックバッグはマジックバッグの中にマジックバッグを入れられるから。容量少なめのマジックバッグでも、数を揃えれば、いっぱい持ち運べる。


重量が軽減されてるとは言え、ゼロにはならないから限界はあるけどね。

まぁ、普通に荷物をマジックバッグに仕舞うより、重量が軽くなるので、かなり余裕があるけど。


1番のデメリットはマジックバッグに仕舞ったマジックバッグからは物が取り出せないと言うことだろうか。


取り出す場合は先ず、マジックバッグを取り出す必要がある。


マジックバッグからすぐに取り出したいもの仕舞場所に気をつけなきゃいけない。


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読んで頂きありがとうございます。

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