第40話
沙希side
「それで、今日はどうする?勝吾は起きる気配ないし」
魔導知能が言うには、ハンドガンを弄ってたみたいだから当分起きないだろう。
流石に勝吾を置いてダンジョンに行く気にはならないし。
外に出ても、男からナンパされるだけで楽しくないし。
かと言って、ずっと部屋にこもっているのは暇。
「正直、色々なお店があるわけじゃないですしね〜。いくらダンジョンがあって活気があるとは言っても村ですからね」
ナンパされないように、色々対策したとしても時間を潰せるような娯楽は存在しないと。
うーん。これは勝吾を抱き枕にして2度寝を決め込むしかないかも。
「そう言えば。勝吾さんが言っていた遠距離武器完成してるんですよね?」
「通常弾は撃てるようになってるみたい」
弾自体に効果の付与は、まだ見たいだから普通の弾だけしか撃てないけど、試射するには通常弾で充分。
と言っても、製作者の勝吾より先に使うのはどうなの?
「あと、イキリダケって言う男性の性欲を上昇させるキノコがここら辺の森は採集出来るんですよ」
「すぐに行こう」
拳銃を手に持って外に出る準備を始める。
まだ、マガジンに弾が込められてないようなので、自分たちで弾を込める必要がある。
(ワンマガジン7発が限界数です)
このサイズで7発もマガジンに入るの?
(薬莢や火薬のスペースが必要なくなった結果。全体的にコンパクトに仕上げることが出来ましたので。服に忍ばせておくこともかなり容易になっているかと)
私からしたら、通常サイズだと少し持ちにくいから。サイズが小さくなっているのは有難い。
勝吾の護衛は魔導知能に任せてアレーネと二人で森に向かった。
「周囲に人の気配はなし。ここなら銃を撃っても、人に見られる心配なし」
私たちが村から出るのに合わせて、村を出て後をつけてくる馬鹿を撒くのに時間がかかってしまったけど。
ようやく、銃の試射ができる。
マガジンを入れてスライドを引き、弾を装填
木の幹を狙って、引き金を引いた。
「音も静かだし。反動もほとんど無い。威力も結構有る」
火薬を爆発させないので音も静かだし反動も小さい。
威力に関しては、直径30cmぐらいの木の幹を貫通するぐらいの威力がある。
スライドを引くのも、そこまで力要らなかったし。
想像以上に便利な銃が完成したようだ。
「凄いです!私も撃ってみて良いですか?」
「アレーネは遠距離武器を使うと、絶対に味方に当たるって聞いてるけど」
勝吾も半信半疑だけど。そうらしいと教えて貰っている。
勝吾も言ってたけど。武器の扱いが下手とかそう言う次元じゃなくて、そういう呪いをかけられてるんじゃないの?
「うーん。何となくその拳銃なら大丈夫なきがするんですよ」
気がするって…もしダメだったら私が撃たれることになるんだけど…
まぁ、そういう時の直感って以外に重要だったりするし。
やらせてみよう。
もちろん、もしこっちに弾が飛んできても大丈夫なように対策をしてからだけど。
ルーン魔法で自分を囲むように7重の障壁を張る。
こっちの世界の魔力を消費するだけで出来る身体強化とルーン魔法の身体強化を使って2重で身体強化して発射された弾丸を目で追えるようにする。
「スライドを引いた後、引き金を引けば弾が発射されるから」
ここまでやれば、こっちに弾丸が飛んできても大丈夫だろう。
簡単に使い方を教えてアレーネに銃を渡す。
「思ったより軽いんですね。弦を引く必要ないし。狙いやすいです」
アレーネが大きく息を吸って呼吸を止めて狙いを定めて引き金を引いた。
「両極端過ぎない?」
アレーネが狙いを定めて発射した弾丸は、私が打った時に空いた木の幹の穴に丸で吸い込まれてくように飛んでいき、穴を通過して行った。
こんなの凄腕のスナイパーだって出来ないんじゃないの?
「やっぱり、遠距離武器は相性悪いんですかね?木の幹に当たらなかったです。でも、沙希さんに向かって飛んでいかなかったので、他の飛び道具と違って練習すれば使えるようになるかもです」
どうやら、自分がありえないほどの精度で射撃したことに気づいていないらしい。
「アレーネ。さっきの射撃は、私が撃って空いた穴を綺麗に通過したから、木に跡が残らなかっただけ。アレーネの直感通り、銃による射撃の才能があると思う」
勝吾はいくら精霊がいるとはいえ、自衛する武器を使えるようになって欲しいって言ってたし。
ちょうど良かったとも言える。
魔導知能、追加で拳銃を作ることはできる?
(緑鉄の在庫はまだあるので、問題ないです。マスターの目が覚めたら確認して、許可がでたら二挺目を作成させていただきます)
魔導知能とは私も会話することはできるけど。
勝吾のスキルだから、私の言うことを全て聞いてくれる訳では無い。
勝吾の為になることなら、自分で判断して独断で動くことも有るみたいだけど。
いくら人格があるとは言えスキルとしてそれはどうなの?と思わなくもないけど。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んで頂きありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます