第37話
用途不明のミミックの胃袋は使い道が分かるまでは死蔵しておくことにして、そろそろ10階層に向かう為の魔法陣に向かって歩き出す。
さすがになんにも使用用途がないアイテムをドロップさせるようなことはしないだろうし。
って思ったけど。ゴブリンの腰布なんて言う使い道ゼロのドロップ品もあるしな。
もしかしたら使い道ゼロって事も有り得るかも……
そんな感じで考え事をしながらダンジョンを進む。
本当だったら良くないんだろうけど。このダンジョン罠も無いし。魔物も沙希がルーン魔法で絨毯爆撃するだけで、倒せる。
正直やることが無い。
刻印術を利用した新しい武器でも考えるか。
俺も遠距離攻撃が出来るような武器だと活躍出来る気がする。
魔力を込めたら火球を作り出して飛ばす見たな刻印は存在しないんだよな。
土台ごと爆発させる刻印は有るんだけど。
結局それが1番火力あるんだよね。
地球にいた時は弾丸に爆発させる効果を付与して、敵に打ち込んで体内で爆発させるってのが1番使い勝手良かったんだけど。
拳銃なんて存在しないし。
爆発以外にも弾丸に効果を付与して、相手に当たった瞬間に効果を発動させるってのがかなり使い勝手が良かったからな。
こっちの世界で似たようなことをするなら弓を使うことになるのかな?
弓とか使える気がしない。
そうなると拳銃を再現するところからってことになるのかな?
ねぇ。盗賊のアジトから金属を回収した時、1度体内に吸収して、インゴットに加工したって言ってたけど。それってインゴットの形以外にも加工できたりするの?
(可能ですよ。ですが、完全に拳銃の構造を真似る必要が有るでしょうか?例えば、ノックバックを強化する衝撃の効果を付与すれば弾にプライマーや火薬が必要なくなります。薬莢すら要らなくなるので、ジャムする事も無くなるのでは無いでしょうか?)
弾のサイズが変わっちゃうから、弾丸のサイズに合わせて設計し直す必要が有るけど。
出来る?
(マスターの頭の中にある拳銃の設計図を少し作り直すだけなので問題ないです)
やっぱり。火薬と薬莢は必要かも。
フルオート射撃が出来るようにするなら、後ろに衝撃を伝えてくれる存在が必要だし。
(弾だけではなくスライドにもノックバックが発動するようにするとか?)
もしくは、火薬の部分を爆発の効果を付与したものに変えるだけで、あとは地球の銃と同じようにすれば使えるんじゃないかな。
(確かにそうかも知れませんが、威力は制限するとは言え手元で爆発するって言うには危険では有りませんか?ノックバックで衝撃を与えるだけで、発射、装填が出来るようになれば、暴発事故は起こりません)
もしもの事故の事も考えて。衝撃の効果だけで、弾を発射する機構の方が良いって訳か。
確かにそうかもな。
まずはフルオート射撃を考えず一発一発スライドを引いて装弾、発射するって事にするか。
最初っから完璧な物を作るのは難しいし。段階を踏んで行くのが良いだろう。
弾の発射と自動装填これを両方できるようにするには、新しい刻印を考える必要が有るだろうし。
前と後ろ両方に衝撃が発生する必要がある訳だけど。まぁ、出来なくはないかな?
時間は少し、かかるかも知れないけど。
先ずは、装弾は手動の方式で拳銃を作ろう。
って事でよろしく。
勿論、刻印術で付与した衝撃の効果で弾を発射する機構にするから。
薬莢とか火薬は使わないで、弾丸を直接ファイアリングピンが押した瞬間、衝撃に効果が発動。弾丸が発射されるって感じで設計をしてね。
俺の実銃の記憶から設計するのは大変かも知れないけど。
分解整備とかもしてたし、何とかなるとは思うんだよね。
(承知いたしました。材料は緑鉄を使ってもよろしいでしょうか?)
魔力との相性ってどうなの?相性が良くないと衝撃の効果が低くなって弾速が遅くなると思うんだけど。
(魔力を吸収してヒビ等を自動修復すると言う特性を持っている以上、魔銀、ミスリルには及びませんが。相性はそこそこ良いと言った感じです)
なら問題ないね。弾丸に関しては、魔力を物質化させるか。
3Dプリンターを刻印術で再現できないかなと思って研究して物質化の刻印術を完成させといて良かった。
宿に帰ったら、見本として弾丸を一発だけ緑鉄で作ってくれる?
魔力を弾丸の形で物質化するにも見本が必要だから。
沙希のミラージュで複製出来るかも?とか思ったけど。複製はいつまで消えないのかとか、色々分からないところもあるし。
自分で用意できるに越したことはない。
(そうですね。今から全力で設計して、宿に帰り次第、直ぐに製作を始められるように頑張ります)
頼んだぞ魔導知能。俺が今後、戦闘で活躍できるかは、魔導知能にかかってるからな。
(拳銃が無くても。問題なく戦えると思いますけど。あった方が戦略が広がるのは間違いですからね)
確かに戦うことは出来るだろうけど。
今の状態じゃ沙希1人で良いじゃんってなっちゃうし。
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