第14話
さてと、貴族の女の子の護衛は分体に任せて俺はダンジョンの近くにあるグラフェンと言う村に向かう。
魔導知能、グラフェンにあるって言うダンジョンってどんな感じなの?
(通路と大部屋が連続していて、魔物は大部屋でしか出現しない。罠も無く、初級ダンジョンの中でも難易度が低く、初心者ダンジョンとも言われています)
それなら安心か…難易度が高いダンジョンだったら、折角ダンジョンのある村に行ってもダンジョンに入れないってのは勿体ないからな。
レアな物は手に入らないかも知れないけど、危険が少ないダンジョンなら安心して挑戦できる。
因みにここからグラフェンまで、どれぐらいかかる?
(早くて3日ですね)
思ったよりは早いか。3日間、食べられるのは肉だけか。
(食べられる野草を採集すれば、野菜も摂取できますよ)
鍋とかもないし、野草のアク抜きも出来ない美味しく食べられなさそうだし。
肉だけでいいや。
そうだ。この森にモドキじゃない。盗賊のアジトとかないかな?
馬かなんかを奪えれば移動が早くなるよね。
(確かに悪くは無いですね。前提条件として、マスターが乗馬出来る必要がありますが、大丈夫ですか?)
少し走らせるぐらいなら何とか。
沙希のご両親が経営する。競馬の引退馬の為のファームで何度か乗馬したこともあるし。
そんなに上手く無いけど。
(それなら盗賊のアジトを探して見ましょうか)
分体ってホント便利だな。
俺はゆっくりグラフェンに向かって歩いているだけで、色々できるし。
のんびり歩いてグラフェンに向かいちょうどいいところで野宿の準備を始める。
なんちゃって乾燥レンガがあるから昨日よりましな物が出来る。
焚き火を設置したあとは、今日歩いている時に拾っておいた。手のひらサイズの石を巾着袋から取り出す。
(刻印術で硬質化を付与して投擲の玉にでもするんですか?)
それも、悪くは無いけど、もうちょっと攻撃力のあるものを作るつもり。
刻印術ってね。ルーン文字を書くだけで爆弾を作ることもできるんだよ。
ルーン魔法が使えるなら爆弾なんて作らなくても爆発させられるけどね。
魔力と相性がいいインクが必要だし。
ルーン魔法のルーン文字を使った魔法陣より複雑な陣を書く必要が有るけどね。
俺もルーン魔法の才能が欲しかった…
魔導知能が盗賊のアジトを見つけ次第、襲いに行く予定だし、武器を用意しとかないと。
魔導知能。威力の確認をしておきたいから、適当な魔物引っ張って来てくれない?
(もう完成したのですか?)
スライムゼリーの品質も良いとは言えないし、付与する物がただの石だからね。
強力な刻印術は付与できないし。
軽い爆発を起こす程度の刻印術なら、1個10分ぐらいで出来る。
(承知致しました。丁度ゴブリンの群れを発見したので、それを連れてきますね)
ゴブリンじゃ実験にならないかもしれないけど。
思ったより火力が出なくても安全だし。ちょうど良いかもな。
魔道知能がゴブリンの群れを連れてくる前に爆発する石以外にも、いくつか作ってゴブリンを待ち構える。
魔導知能さん。ちょっと数多くないですか?
正直五匹ぐらいかなって思ってたのに。
魔導知能が連れてきたゴブリンは10匹以上いた。
この数は今回作った爆発する石じゃ全部巻き込めないよ?
とりあえずぶん投げるか。
刻印術で作った爆発する石をゴブリンに向かって投げつける。
ゴブリンが持っている棍棒で跳ね返そうと、棍棒が石に触れた瞬間。石が爆発した。
爆破範囲は半径2mぐらいか。
いくらでも用意出来る。素材だけで作れる爆弾としては悪くないな。
爆発に巻き込まれたゴブリン5匹が光の粒子になって消える。
残り約半分か…残っている奴ら少し離れているから、今みたいに爆発で一掃ってのは難しい。
なので、爆発とは別の効果を付与した石を投げる。
ゴブリンたちの近くの地面に投げた石が落ちると石が割れて電撃が、ゴブリンたちを襲う。
これは、ダメージは無くて、生き物を麻痺させるだけの効果しかない代わりに、爆発より広範囲に効果を発揮する。
半径5mぐらいかな。
残りのゴブリンたちは全員地面に倒れてビクビク痙攣している。
動けないゴブリンたちを魔鹿角ナイフでトドメを刺していった。
(敵を麻痺させることができる、付与はかなり有用だと思います。麻痺や石化、幻影等の1部状態異常はHPが肩代わりすることができないんですよ)
耐性とかで無効化してくる敵もいるけど。
HPを無視して無力化できる手段が有るのは便利だ。
対人戦の場合、HPで肩代わりできない状態異常への対策は当然されているので、余り効果がないかもと言うことらしい。
対策をしていない人間や耐性のない魔物には凄い効くって事だな。
全部倒し終わったので、ゴブリンたちがドロップしたカードを拾い集める。
ゴブリンの腰蓑とか売れるのかな?とか思っちゃうけど。
カードの状態で嵩張らないし、しっかり拾っておこう。
その後は眠くなるまで、刻印術を使って色々物を作って一日を終えた。
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