第10話
下着まで全部、刻印術で効果を付与したので結構時間がかかってしまった。
刻印術の作業中ずっと同じ体勢だったので、ちょっと体が固まってしまった。
立ち上がり伸びをして身体中の筋肉を伸ばす。
(マスター。頼まれていた枝と平らな石を集めました)
いつの間にか木の枝と肉を上に乗せて焼けるような平らな石が横に置かれていた。
すぐに火を起こそうと思ったけど。
焚き火の上に石を置けるように石を積んで簡易的な竈作るか?
今から石集め?もう、夕方だし今から集めるの大変だよ。
そうだ、粘度高めのスライムゼリーと土混ぜたら、なんちゃって乾燥レンガ作れないかな?
結局、石を集めるより時間がかかりそうだけど。ちょっと、やって見たくなっちゃったし。やってみよう。
(鹿肉を小さく切って魔鹿角ナイフで木の枝を削って作った木の串に刺して焼くのが早いのでは?)
魔導知能の案が1番現実的な気がする。
と言っても、なんちゃって乾燥レンガ試してみたくなっちゃったし。頑張って見るか。
但し、人型の分体を作り出して制御権を魔導知能に。
そして、魔鹿角ナイフを渡して木の串を作っておいてもらう。
上手くいくか未知数だし。
粘土質の土を探すとかじゃなくて、粘度の高いスライムゼリーで何とかしようって、割と無茶な考え出し。
こう言うのって藁を混ぜると良いんだっけ?
よく知らないし、藁なんて近くにないし、とりあえず適当にやってみよう。
木の棒で適当に土を掘り起こして穴を作ったら、そこに粘度高めのスライムゼリーと掘った時にでた土を入れて混ぜ混ぜ。
スライムゼリーは接着剤的な役割を期待してるので量は少なめ。
その方が短時間で乾くだろうし。
混ざったら適当にレンガっぽい形に形成して穴の周りに置いていく。
穴の中に木の枝を入れて、ルーン魔法で火をつける。
攻撃手段に使えなくても火種にするにはちょうどいいぐらいだ。
木の枝に火を付けるのに結構時間がかかったけど。
何とか火を起こすことが出来た。
着火剤無かったからな。時間がかかるのは仕方ないだろう。
フェザースティックだっけ?なんか木の枝を着火剤レベルで燃えやすくなるやつ。
作った事ないけど。
取り敢えず、火は着いたんだしいっか。
(乾いたらレンガとして使えそうですけど、どうしても乾くのに時間かかりますよね?)
ですよねー。
大人しく魔導知能に作っておいてもらった木の串を使って魔鹿の肉を焼くことにした。
(そうそう、沙希様と合流出来ましたよ。取り敢えず私のことはマスターのスキルだと信用してもらいました。なんかもう一人、女の子がいますけど。元気そうですよ)
そっか取り敢えず一安心だな。
もう1人いるって言う女の子はクラスメイトか。
多分、悪い人じゃないと判断したから一緒にいるだろうし。
沙希、一度敵と認識したらマジで容赦ないし。
どれぐらいで、合流出来そう?
(歩きじゃ数ヶ月かかりますね。馬車とか何かしらの移動手段を用意して一ヶ月ぐらいでしょうか)
車みたいな便利な移動手段ないだろうし、仕方ないか。
移動手段、何とかして用意するしかないか。
(沙希様からやり過ぎないようにとの事です。私が魔法で身体強化して走って行くから近くの街でまってて、とも言ってます)
ルーン魔法にも身体強化あるし、沙希ならホントに走って来れるだろうな。
後、やりすぎるのは先の方でしょ。
1,200km以上の距離を走ってくるつもりだし。
(正確には大体1,600km離れています。因みにこれは直線距離の話で、人が移動できる道のりで考えると2,000kmぐらい離れています)
でも、ルートはもう出来てるんだ。
(この世界の地図が私にはインプットされてますから。と言うかマスターの言う通り、沙希様、規格外ですね。当然のように空間収納使ってますし)
でしょ?
(空間収納の中に入っている刻印術で作った道具の数々も充分やばいと思いますが?沙希様がやり過ぎないようにって言うのもわります。まぁ、マスター作魔力バッテリーのおかげで、分体の魔力切れの心配が無くなりましたけど)
そういえば、そんな物も作ったな。
沙希が俺の魔力を自由に使えれば良いなと思って作ったんだよな。
数十億かかったけど...
沙希のご両親は画期的な魔導具だって言って
沙希の分以外も作ったんだよな。
魔鹿の肉がそろそろ食べ頃だな。
大丈夫だとは思ってたけど。沙希も無事だったと分かって、少し安心したらお腹が空いて来ちゃった。
魔鹿の肉は塩すらなしだけど。脂少なめだけど、肉の味はしっかりしていてとても美味しかった。
今日はさっさと寝て明日、日の出と共に移動を開始。
早めに街に到着って感じのスケジュールでいきたい。
問題はベッドをどうしようか。魔鹿の毛皮を敷いて寝るか?
と言ってもカードの状態のままの方が持ち歩き易いんだよな。
そうだ、スライムベッド!
異世界ものだとスライムをベッドにする話多いよね。
右手からスライムゼリーを作り出して、人をダメにするソファをイメージして形を作る。
これは凄いな。無重力空間にいるような感じだ。
直ぐに眠気が襲ってきて意識を手放した。
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読んで頂きありがとうございました。
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