第四十四話 自由な活動が行える空間を望む心理
『ジャラッ』
『リューベック参事会は気前が良いわね♪』
ハイディ達は議員から金貨で
『何か買いたい物でもあるのですか?。ハイディ』
一年以上に渡り借金の返済に追われていた私は、老舗の
『物というよりは、自由な活動が行える空間という方が適切ね。フローリアン♪』
自由な活動が行える空間ですか?。
『コンッコンッコンッ。失礼します。お茶とお茶菓子を持って行くように言われました』
ペーターの部屋の扉をノックしたのは、私達三人とは同い年のコレットですね。
『ありがとうコレットさん。入って』
『カチャッ』
部屋の主であるペーターの許しを得たコレットが、御盆に紅茶とお茶菓子を載せて入って来ましたので。
『議員の屋敷での生活に少しは慣れましたか?。コレット』
屋敷から支給された侍女服を着ているコレットは、机の上に茶器やお皿を並べながら頷きまして。
『ええ、御屋敷の皆様方には本当に良くして頂いているわフローリアン。リューベックを統治される議員様の御家族なのに、こんなに良くして頂けるとは、夢にも思わなかったわ』
貴族諸侯の皆様方が統治される封建制度の社会で生まれ育った共通点のある私としては、コレットの感想は非常に良く理解出来ます。
『リューベックに来るまでは、血統や出自に基づいた身分に縛られずに済む社会における自由という感覚が理解出来ずにいましたわ。私のような貴族諸侯の
ハイディの話しに対してコレットは首を横に振りまして。
『フローリアンから聞いているわハイディ。自分自身の力だけで生きていけるように
私は祖父から、ハイディは祖母から、ペーターは曾祖父から、根元魔法の素質を血統により受け継ぎましたが。ハイディは御母堂の
『血統により受け継ぎ天から授かった根元魔法の素質ですけれど、自らの努力で磨き上げれば、生まれた
同い年のハイディによる気持ちの吐露に対してコレットは笑顔で。
『私の事はフローリアンのようにコレットと呼び捨てで構わないわ。ハイディと呼ばせてもらっているのだから♪』
コレットに対してハイディも嬉しそうな笑みを見せまして。
『そうさせてもらうわね。コレット♪』
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