第四十三話 首席から三席まで
『やはりリューベックの誇りである
『え、えへへ。ありがとう。お父さん♪』
ペーターが優しい性格に育ったのは、御父君でもあるリューベック参事会の議員による教育方針も大きく影響していると思われます。
『御依頼の通りにしました議員。痕跡も残してはいません』
『フローリアン君は
ペーターが暮らす議員の屋敷の居間で私は苦笑を浮かべまして。
『恐縮です議員。ただ、負け戦で敗走した経験もありますから、常に完璧ではありません』
『君は自分に対して厳しい真面目な性格をしているな♪』
ペーターの御父君でもある議員は、大切にしている子息の学友である私の事を気に入ってくれています。
『砦で入手した戦利品は、この一年間取引をしている商人に金額を査定してもらっています。現金に代えてから私達三人で三等分に山分けをします』
『それで構わない。フローリアン君に万ヶ一の事態が起きたら、エミリーさん三人家族は私が責任を持って奴隷身分から解放する。書類は既に作成してある』
能力主義で選別されているリューベック参事会の議員は本当に動きが速いと思います。
『万ヶ一の事態は起きてほしくはないが、エミリーさん三人家族の今後に関しては心配する必要は無い。フローリアン君』
私は椅子から立ち上がりますと、心底よりの感謝の気持ちを込めて恭しく深々と御辞儀を行いまして。
『有難う御座います議員。これでエミリーさん三人家族への、一宿一飯の恩を返す事が出来ました』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます