第十話 防御側の戦意を喪失させた役割
『ワイワイ・ガヤガヤ・ザワザワ』
『冬に攻囲戦をすると最初に聞いた時は本気かと疑ったが、終わってみれば楽勝だったな♪』
『ああ、まさか一ヶ月で攻め落とせるとは、思いもしなかったぜ♪』
雇い主の伯爵閣下を演説中に狙った射手の身柄も確保しましたので、私達傭兵に対して支払われる報酬を受け取る為に、天幕の前に並んでいます。
『ありがとな、魔法使いの兄ちゃん♪』
『あんたが居なければ、最短でも二・三ヶ月は攻め落とすのに掛かったぜ♪』
私の前で話されていた、年長者の傭兵のお二方が急に後ろを振り向いて笑顔で話し掛けて来られましたので、少し驚いた表情を浮かべまして。
『御役に立てたのでしたら。幸いです』
私の反応に周囲の経験豊富な年長者の傭兵の方々は、揃って苦笑を浮かべられまして。
『魔法使いの兄ちゃん。自分が果たした功績の大きさを理解していないだろ♪』
『あんたが一ヶ月の間ずっと最前線で
確かに攻囲戦の間は、一ヶ月間最前線に立ち続けて城壁の射手から身を守る為に
『最後の方には城壁の射手達は半泣きで弓を撃っていたからな♪』
『城壁から放つ矢を殆ど
成る程。防衛側からしますと、有利なはずの城壁からの射撃が全く役に立たないので、戦意喪失して士気が崩壊したので、陥落が早まった訳でしたか。
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