038 次なる目的地《ダンジョン》。〜絶好調なアイツ〜
「う〜ん...どうしよっかな〜?」
昨日、月にスラⅡダンジョンから撤退を願われ、踏破を先延ばしにした。
それから月の体調不良、と呼んで良いのかは分からないが、結局、原因不明だったが月も回復したので一安心して、その後はゆっくりコミュニケーションをとりながら早めに就寝した。
勿論、リビングに布団を敷いて。
ネットで拾ったあの論文だが、あの後もう一度確認しようとしたら全て削除されてしまっていた。
ダンジョン内での月の言葉、タイミング良く見つかった論文、月の復調と論文の削除。
あまりにも時系列に物事が進む
特に〈ダンジョンの意志〉のエネルギー使用率の考察や、スライムの生態についての情報提供に関しては、何かしらの作為的な介入を疑ってしまうのは俺がそれなりに歳をとって素直さが足りない所為だろうか?
でもさ、良く考えてみればみるほど、思考誘導されているよね?
月の言葉は、100%信頼出来る。
だって、月が俺に嘘をつく理由もメリットも無いから。もちろん、月の心根的にも。
それは、アナ姉も同じ。
じゃあ、誰が?
なぁ〜んてね。
実は、意外にも答えはすぐ側にあったんだよね。
まぁ、バタバタしていたのも確かだし、色々と確認するべき事を後回しにしたから、
まぁ、シナリオライターさんも今回の事は
で、俺が今何に悩んでいるかというと、
次、何処にするよ?
「skill【隠蔽】と【擬態】とか...どの魔物のカードだよ?」
[ピコン。そうよね、どのカードが隠蔽、擬態とトレード出来るかななんて情報は...ある訳無いかぁ。総司の
そういうこと。俺も...ていうか誰も知る訳無いから手探り状態なんだけど、魔物の生態とか特徴がトレード出来るskillにある程度反映されると思うんだよね。
〈ウサピョン〉は【脚力強化】。うん、確かに兎らしい。ピョンピョン?
〈ワーカーアント〉は【体力強化】。蟻さんって本当に働き者だよね。〈KUJYOUホールディングス〉ばりのブラックじゃね?
あ、あの会社では俺だけブラックだった...。
〈アクアプランター〉は【水中呼吸:Lv1】。まぁ、水草だし?Lv幾つで時間無制限なんだろね。
〈スライム〉は【取得経験値増加】。昨日の論文を読んだら、ねぇ?可能性の塊みたいなもんだからね、スライムは。
ていうか、改めて整理すると、俺って4種類の魔物としか戦って無いのね。そりゃrankも上がらないわな。
で、だ。
隠蔽と擬態。
隠蔽は俺のステータスを、
擬態は月の見た目を、
隠す...隠れる...かくれんぼ...置いてけぼり...ハッ!?
子どもの頃愛菜姉ちゃんに、かくれんぼで見つけてもらえ無いまま放置された記憶が...しかも、怒られたの俺だし。
「今でもアレは理不尽だと言いたい」
[ピコン。総司、何か言ったかしら?]
「...なんでもありません」
いかん、話が逸れた。
いや、待てよ?
そもそも俺って、4種類しか魔物と戦った経験無いのに、頭をどんだけ捻っても思い当たる訳ないんじゃね?
「...
ていうか、最初からそうするべきだった...」
[ピコン。確かに。その〈時雨さん〉って、あの〈
時雨さんの喫茶店の名前は〈Iris〉。お店もオシャレだけど、店名もオシャレ。
「そうだよ。あーそっか。時雨さんと話した時、アナ姉はまだハッキリしてなかったんだっけ?」
なんでも、ダンジョンで俺を見つけて直ぐだったから、ダンジョンを出た時に俺に定着する為にオフモード?だったらしい。
定着してからはダンジョン内外関係無いみたいだけど。
因みにプライバシー問題は話し合い済みです。男の子ですから、俺。
愛菜姉ちゃん的には[
「折角だし、電話じゃなくて直接会いに行ってこようかな。気分転換も兼ねて」
[ピコン。そうね。もちろん、
「も、もちろん、当たり前じゃないですか。あは、あははは...」
《そーじわすれてたろー?》
「いやだなぁ、月クン。ちゃんと覚えてたさー」
《うそっぽーい。そーじ、うそっぽーい》
こら、月!2度も繰り返しちゃいけません!
[ピコン。さて、総司。私は言い訳を聞いた方が良いのかしら?]
「すいませんでしたぁーーーっ!!」
《そーじのどげざはうつくしーなー》
だろ?良く言われる。
主に愛菜姉ちゃんと
《きゃははーぶざまだなそーじ!》
側から見たら、スライムに土下座する大の大人...ヤベぇ奴。
〈変質者〉さん、絶好調よな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます