1/11 このキャラ付けがすごい!


 小説を書いていると、悩むのが、キャラクターの個性をどう出すのかということです。見た目や性格で個性付けをするのが一般的ですが、小説で書くのならば、文字情報として読んですぐ分かる個性が良いと思います。

 私も、色々やってみています。例えば、口調や一人称が統一していないとか、語尾が「~よねェ」「~だわァ」と、母音のカタカナの小文字にしてみるとか。


 そんな工夫も吹き飛ばしてしまうような、「この手があったか!」と思ってしまった口癖のキャラ付けを、ちょっと紹介します。


 まずは、『ムジカ・ピッコリーノ』という教育番組に出てい来る、ローリー司令官というキャラです。『ムジカ・ピッコリーノ』は、音楽が失われた世界を舞台に、動く巨大オルゴールを直す少年少女の活躍を通して、古今東西の音楽とその特性を学べる番組です。

 そのローリー司令官は、ミュージシャンのROLLYさんが演じている、主人公たちの上司的な役割のキャラなんですが、その口癖が、小さい「つ」をそのまま読むというものです。例えば、「ドットーレ」を「ドツトーレ」という具合に。


 『ムジカ・ピッコリーノ』で、このローリー司令官のこの口癖を見た時に、「うわ、やられた」と思いました。ここまで特徴的で、しかし、分かりやすい口癖なんて、あまりないんじゃないかと。

 言葉がちぐはぐになるキャラは、「ブラック・ジャック」のピノコが思いつきます。あれは漫画でもたまにわかりにくい時があるんですが、こちらは、法則が分かれば、すぐに何と言っているのか伝わりますし、小さい「つ」を使う言葉もそれほどないので、良い口調だなぁと改めて思います。


 もう一人は、『貧乏神が!』という漫画に出てくる、杏子というキャラです。『貧乏神が!』は、周囲よりも強運な女子高生と彼女からその運を奪いたい貧乏神とが織りなすドタバタコメディの中で、杏子はちょっとしか出て来ない端役の貧乏神です。見た目はチャイナドレスで、可愛いのですが。

 その杏子がすごく印象に残っているのは、その口調によるものです。熟語を、わざわざ分解して話すんです。例えば、「愚かな問いと書いて――愚問!」という風に。


 中々に衝撃的でしたね。こんなのありなんだ! という具合に。彼女と似た口調のキャラが、思い付かないほどです。

 こちらも、個性的ながらも言っている意味がちゃんと通じるというタイプですね。ただ、二文字に分解しやすい熟語というのが結構限られてくるので、その台詞をちゃんと考えるのは大変だろうなぁとは思います。


 と言った具合に、口調を中心に強い個性を感じるキャラを挙げてみました。

 他にも、語尾が「世界」になっているジョジョのマイク・Oや、前振りで「敢えて言おう」と強調する『バッカーノ!』のナイルや、「ご冗談を」の一言で性格が分かる『七人の侍』の五郎兵衛などが思いつきます。私も、良い口調で強烈な個性を放つキャラを生み出したいですね。




 最後に、今日の進捗です。

 『白は赤に』の最終話を執筆しました。一つの山場を越えて、あともう一つの山場を臨むところです。今週の平日中に書き終えるかなぁ、厳しいかなぁというラインですので、頑張りたいです。




 それではここまでとしましょう。

 おカレー様でした。また次貝に。――ダジャレ口調に変えてみましたが、正直微妙ですね。


























 

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