12/16 セクシュアルマイノリティについて書く時


 私が、初めてレズビアンについて書いた小説は、「同居中のふたり」(https://kakuyomu.jp/works/1177354054886120799)という作品でした。こちらは、同性愛に関する小説を募集する自主企画に参加するために、短編集から抜粋して描きました。

 当事者でもないのに、セクシュアルマイノリティについて書いていいのかと悩みながらの参加でしたが、主催者の香鳴裕人様から、とてもありがたいレビューコメントをいただきまして、非常に励みになりました。


 それから、時折ですが、セクシュアルマイノリティの当事者が登場する小説をちょくちょく書いています。ゲイ、レズ、大まかに分けたら、人外×人間もこの枠に入るかと思います。

 恋愛に関する小説を書く時の私のモットーは、「恋愛とはすべからく尊く、と同時に醜い」です。同性愛だから、人外×人間だから、尊い! ということは頭に入れないように、どんな恋愛関係も、平等になるように書いているつもりです。


 その理由の一つは、私の恩師である大学教授がBLについてこういっていたという話です。教授は、ゲイなのですが、BLに関して、「怒りと嫉妬を感じる」だそうです。

 確かに、異性愛者に読ませるための同性愛というのは、当事者からすると、そのような対象になってしまうのかもしれません。『おっさんずラブ2』の放送に関して、芸であることの葛藤がないのが面白くないというファンの声に、ゲイの人がその葛藤は必要なのかという意見を出していましたし、人に触れるのができなかったアロマンティック・セクシャルの青年が、好きな人には触れられるようになれたという展開のBL作品について、その着地点はどうなんだという意見も見たことがあります。


 そりゃあ、恋愛ものなんて、理想を描くものだとは分かっています。胸キュンとか、尊いとか、外側から見ているからこそ、そう言えるのであって、それこそが恋愛ものの面白さだということだということも。

 ただ、拙作を読んでくれた当事者の方々が、「良かったよ」と言ってほしいと思うので、出来るだけフラットにセクシュアルマイノリティについて書いていきたいです。難しいとは分かっていますし、それは大衆向けではないとは分かっているのですが、それが私なりの誠意のつもりです。




 はい。そういう話になったのは、今回の宣伝作品が関係しています。


 「黒き鏡の玉兎。」

https://kakuyomu.jp/works/16817139558846368188


 嘘をつき続けたせいで、毛の色が変わってしまった兎の話を聞いた「僕」は、ゲイであることを周囲に秘密にしているので、それが気にかかっている。そんな時に、同じ式場で働いているウェディングプランナーの祝嶺さんが辞めるという話を聞いて、彼女に対して謝りたいことがあると自覚する。

 こちらは、おくとりょう様主催の自主企画・同題異話9月号への参加作品です。また、この話の主人公は、「叫んで五月雨、金の雨。」の主人公の恋人でもあります。


 そもそもに、「さよならを忘れて」の舞台になっている式場が舞台の別の話にも、ゲイということを隠しているカメラマンがいまして、この彼の恋人の話を「叫んで~」で書いたので、今度はこっちサイドで書いてみようと思ったのもあります。

 同題異話は結構難産なのが多いのですが、このお話は難解なタイトルでしたが、冒頭で出てきた民話のエピソードを思いついてから、一気にパズルをはめ込むように決まっていきました。嘘をついてしまう=ゲイだと隠しているという彼の境遇と上手く重ねられたかと思います。


 ただ、今回は恋愛が中心の話ではなく、彼と女性のウェディングプランナーとのやり取りが肝になっています。なので、ジャンルも現代ドラマです。ゲイが出る話では、ちょっと珍しい構成ではないかと思います。

 芸であること、それを隠していることに関する大変さを、彼はいつも感じ取っているのですが、そんな彼が異性愛者の恋愛だって順風満帆ではないんだということに気付くという話です。これが、私の恋愛のテーマである、どんな恋でも平等に書くということを目指した結果です。




 最後に今日の進捗を。

 映画見る予定を変えて、『白は赤に』を書き進めていきました。大分進められたのですが、まだ完結できていません。平日に完結させようという目標があったのですが……とても悔しいです。




 色々言いたい放題してきましたが、今回はこの辺りで。また次回。











































 

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