第三回 終末世界と白米の、驚くべき関連性とは?!

 こんにちは、白木犀はくもくせいです。


 前回お話しした通り、私は終末世界が好きなんですが、今生きているこの世界が終末を迎えてほしい訳ではありません。


 じゃあ、どこで終末世界養分(何それ?)を補給しているかと言われれば、答えは一つ。


 創作物の中です!!!!!(どどーん)


 皆さんの知っている創作物の中にも、ありませんか? 世界が終わっている、もしくは終わりかけているものが。終末世界は、創作のジャンルとしては、割とメジャーだと思います。


 という訳で今回のトークテーマは、「創作において終末世界と相性がよさそうなモチーフたち、逆に余り合わなさそうなモチーフたち」です。それでは早速いきましょう。


 *・*・


〜終末世界と相性がよさそうなモチーフのコーナー〜



①友愛、恋愛、家族愛――といった、「愛」の要素


 これはもう、はちゃめちゃに合うと思います。


 というのも、終末世界になることで、愛というものがより深さを帯びる気がするんですよね。愛している人が死んでしまうということは、やっぱりすごく悲しいことだと思うんです。そうした喪失が、終末世界によって大きく近付いてくることで、日常とは一味違った「愛」を描くことができるような気がします。



②悲しい、寂しい、苦しい――といった、「暗い感情」の要素


 これももう、はちゃめちゃに合うと思います。


 終末世界を迎えることになったら、皆さんはどのような感情を抱くでしょうか。稀に嬉しくなる方もいるかもしれませんが、やっぱりそういう「明るい感情」よりかは、「暗い感情」を抱く人の方が多いような気がします。


 終末世界を描いた創作物は、そういう側面もあって、良質の切なさを摂取できる存在だと思うんですよね……! 登場人物が傷付いたり涙を流すことによって、読者である私たちは心を動かされて、切ないなあ……となる訳です。私は切ないお話が大好きなので、それもあって終末世界オタクになっているのかもしれません。



③夕暮れの空、月明かりの零れる夜の海、ネモフィラの花畑――といった、「綺麗で、でもどこか寂しげな風景」の要素


 終末世界ということは、すなわち「終わる」ということ。


 溶けかけの雪景色だったり、散り際の桜並木だったりを想像してみてほしいのですが、「終わり」が近い綺麗なものって、何だか一層美しく見えたりしませんか?


 つまり終末世界は、美しいものをさらに美しくしてくれると思うのです。そして、そこには寂寥感がプラスされる気がします。そんなところに、「綺麗で、でもどこか寂しげな風景」が合わさったら……もう、考えるだけでよきですよ〜!


 私は書くにおいても読むにおいても、美しい情景描写というのがなかなかに好きなんですが、終末世界はそれに拍車をかけてくれるので、とてもよきだと思います。(うなずき)



〜終末世界と余り合わなさそうなモチーフのコーナー〜



【唐突な幕間】


 このトピック、今考えてみているんですが、結構難しいですね。


 方向性としては明るいものかなあ……と思って、「コメディ」を頭に浮かべてみたんですが、意外と終末世界とコメディは合う気がするんですよ。もうすぐ終わってしまうからこそ、登場人物が楽しく笑って過ごす、みたいなのとかめっちゃいいじゃないですか。


 敢えてめっちゃ日常に寄せてみて、「ラーメン」を頭に浮かべてみたんですが、終末世界とラーメンも意外と合う気がするんですよ。明日世界が終わる日に、敢えて行きつけのラーメン屋さんでラーメンを食べて、店主さんと「最後の夕食が、こんなんでいいのかい?」「いいんです。僕は、このラーメンが大好きですから」みたいな会話を交わすお話とか、素敵じゃないですか。読みたくなってきました。ラーメン屋さんが営業しているかどうかはさておき。


 ……もしかして終末世界は、「白米」レベルの「何にでも合う」ポテンシャルを備えていたんですかね?! クッ、なんてすごいんですか、終末世界……! ただでさえ魅力たっぷりなのに、これ以上魅力を見せつけて、どうするつもりなんですか〜!


 まあでも、合いそうなモチーフを三個挙げてしまいましたし、合わなそうなモチーフも三個挙げたいところですよね。頑張って考えてみましょう。


【唐突な幕間、おわり】



①完全なハッピーエンド


 これは、終末世界創作物だとちょっと難しいような気がします。そもそも世界が終わるという時点で、死や絶望といった要素が絡みがちなので、ハッピー全振りのエンディングに持っていくのは、なかなか大変な気がするんですよね。


「世界の終わりを止める」というタイプの終末世界創作なら、最後はハッピーエンドにできるかもしれませんが、世界が終わるレベルの大変な事柄を無傷で解決するのは些か厳しい気がするので、何かを失う予感がするんですよね。それは仲間かもしれませんし、自分自身の何かかもしれません。


 という訳で、終末世界とはちょい相性が悪いかなあ……と思います、完全なハッピーエンド。



②普通の学園生活(主に地球)


 これは単純に、世界が終わるとなったら、多分学校がやっていないのでは、という理由からです。


 しかし、パンデミック系終末世界の中で楽しく部活動をする有名な作品がありますね。(ネタバレになってしまうので、タイトルは伏せますが……!) ちなみに私はその作品が大好きで、アニメを全話見た後で漫画を全巻揃えました。よきです。


 その作品のように、条件付きの学園生活は送ることができる気がしますが、よくある学園生活はちょっと難しいんじゃないかなあ……と思ったりしました。あ、でも、異世界とかだったら、学校やっているところもワンチャンありそうですね。「主に地球」って書いておきますか……(苦しい追記)



③平和


 思うんですよ。終末世界になったら、恐らく治安はかなり悪化するのではないか――と。


 世界が終わっちゃうことによって自暴自棄になり、よくない行動に走る人ってやっぱり一定数存在すると思うんですよね。


 終末世界を乗り越えて平和になる、という描き方はあるかもしれませんが、終末世界が現在進行形だと、余り平和さは期待できないかもしれません。もしも世界が終わりそうなときは、皆さんも夜の一人歩きとかにはお気を付けてくださいね〜!


 *・*・


 いかがだったでしょうか。終末世界に合わなさげなモチーフがとにかく思い付かなくて、大変でした。いや、ほんとに難しいんですよ。よかったら皆さんも、考えてみてください。その上で「こういうモチーフは合わないと思うなあ」と思った方がいたら、よければ教えてほしいです。


 それでは、ここまで読んでくださりありがとうございました〜!



【次回予告】


「私は目を見張った。それから、にこにことしている弟のことを、くずおれるようにぎゅっと抱きしめた」


 あれ、エッセイなのになんか一次創作小説が始まっていない? そんな自由で大丈夫なのか……?! まあきっと大丈夫だよね!


 次回、『第四回 終末世界エッセイの最終回、終わるという側面で一つの終末みがある』もよろしくね!

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