第65話
はい一戸建て建設と。
焼き払ったら元の一戸建てと駅予定地周辺のマンションの跡があった。
駅前に大規模ショッピングセンターか大学。
駅前にどんっとタワーマンション、駅から遠くなるにつれだんだん一戸建てに。
惑星日本の地方でよくある構成だ。
基礎工事から予測される耐震性能は、日系惑星のもの。
雑に住宅をも建ててもいいが、やはり日本人としては地震が気になる。
なのでくっころちゃんに相談。
「データはありますけど古いですよ。大気のデータも変わってますし」
なのでセレナから現在のデータをもらう。
半分もわからん。
「わかるようにしたのがこっち! しっかりしてよお兄ちゃん!!!」
酸素濃度なんかは昔より改善。
ほう……。
「キメラが大気の改善をしてるみたい。そんな効果あるなんて聞いてないわ」
なるほど。キメラが猛威を振るった結果か……。
絶滅させるとまずいのか。
ド畜生!!!
「ここ奪還して大丈夫だったの?」
「もう全土に散らばってるから影響なし。基本的には人間がいないところで増えてるみたいよ。食料も人間さんを食べなくても肉ならなんでもいいし。普段はこの惑星に人間が持ち込んだ虫や動物を食べてるみたいね」
「土着の生物への影響は?」
「種を絶滅させるほどの影響はないようよ。むしろ人型労働生物の方が有害じゃない? 連中は見かけしだい抹殺で」
「じゃあ、この都市計画で大丈夫かな? 耐震性能とか」
「地震の記録もあまりないし問題ないと思う。つうか火山だからけの惑星日本と比べるなっての!」
というわけで修理&建設。
まずは市長なんかが使う都市開発ソフトの使い方なんかをラーニング。
脳のチップから直接脳に書込む。
ちょっとシステムが脳を酷使しやがるので血圧が上がる。
軍服の血圧計が黄色の警告を発する。
黄色はただの警告、赤だと脳梗塞その他の診断が本人の意思を無視して行われる。
黄色は警告だけど鼻の血管が破裂する。
結構ドバドバ鼻血が出る。
なになに?
糖尿病や高血圧、高脂血症の患者は治療後に使うこと。
ティッシュ使うことになるので必ず用意せよ。
脳と血管に負担がかかるため普通の学習を推奨する。
うっさいわ!!! もう遅いんじゃ!!!
あ、血が出た。
ずびずびずびずずずずー。ちーんッ!
鼻にティッシュつめこんどこ。
終わったら血圧測定と強制リラックスタイム。
血圧下がったので作業開始。
ソフトを起動するとドローンが作ったマップが表示される。
航空写真と切り替えられるので地図記号と等高線読めない人でも安心。
あとはユニットを配置してドローンに作ってもらえばいい。
モールは人間がメンテナンスしないと保たない構造だ。
いったん壊して同じデザインのものを建てる。
ちゃんとサーバールームを設置。
ただし素材は最新式の自己修復素材。
警備ロボットも配置。
キメラ用に火炎放射器と丸ノコつきの園芸ロボットも配置。あとミサイルと実弾とパルスライフル。
嘘ついた。戦闘用ロボットを配置した。
俺の目の届く範囲でキメラは生かしておかない。
住宅街の外に農地を作る。
除草剤の中和剤をまく。
用水路を作って、浄水場を設置。
キットだけどね。
川の水直飲みは推奨されない。
病気と寄生虫が恐ろしい。
浄水場から飲料水と農業用水に分けてっと。
上水道のパイプも全て建築物に繋いで。
流量が正しければ。はい完成。
ついでに下水処理場と下水道も設定っと。
矛盾点などはAIが補正してくれる。
エネルギジェネレーターを置いて電気を引いてっと。
なるべく火は使わない感じで。
ここで生活してわかった。
ここはパン食。
なので小麦と野菜を植えておく。
水田作るような土壌ではなかった。
一部は耕して果樹などを植えておく。
生産性の高い品種を優先する。
あとは世話するドローンを設定して、と。
すごく……見慣れた風景です。
ここまでやって、どうして完成するのが惑星さいたまの地方都市なのだろうか?
不思議でしかたない。
「お兄ちゃん、さいたま人はさいたまからは逃れられないってことだね!!!」
「やめて!!!」
モールの中には店舗の枠を作っておく。
店舗作っておけば誰か使うだろ。
「お兄ちゃん、それいろんな惑星の第三セクターが破綻した発想」
「……それでも俺はやるぜ!!!」
モールの中に騎士団の駐屯地を作っておく。
実際は共和国軍の出張所としてシステムには登録。
どさくさ紛れにカートマンとスタンリーを共和国軍の階級を昇進させておく。
この惑星の階級じゃないけど給料出るし。
給料表を見てびっくり。
「うわーお。士官の給料すごくね?」
「お兄ちゃんの給料が不当に安かったんだよ」
……マジで?
じゃあ士官にするか。
どうせ給料なんてデジタルのポイントだし。
えっと少尉に……あれ? できない。
准尉までしか上げられない。
エラーメッセージは『年齢が若すぎます』。
「年齢制限で准尉にまでしか昇進させられねえの! 俺が元帥って時点でもうシステム自体がバグってるわ!」
「かなたに言っとく」
というわけで都市計画が完成。
あとは提出してセレナの承認を受ければ着工っと。
「いいんじゃない? 全部電気なのはどうかと思うけど」
「ガスの調達が面倒なのと火事が怖い」
絶対火事になるからな。
消火ドローンはあるけど死人が出たら嫌だしね。
「そうねえ、どうせエネルギージェネレーターがあるし、枯れた技術だし。いいかー」
もう自分たちが滅びそうだし、出し惜しみしてもしかたないよね。
というわけで建築承認。
ドローンが建築開始。
すげえなこのソフト。
あとは待ってりゃできる。
ティッシュそろそろ取ろうっと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます