第25話 竜の魂 〈終章〉

 


 熱くて赤い血が溢れ、一筋、頬を伝う。

 でも、それだけだった。

 菊理の凶爪は明の頬を掠め、邪竜の胎内――その肉壁に突き立てられていた。

 やがてぽろぽろと零れ落ちる透明な雫が血の跡を洗い流していった。

 明を押し倒したままの菊理が大粒の涙を瞳から溢れさせ、泣いていた。

「殺せだなんて、無理だよ……どんなにひどいことをしたって、されたって……」

 まるで子供のようにしゃくりあげ、それでもなんとか菊理は言葉を紡ぐ。

「くくりは……アキラくんが好きなんだもの」

 だから苦しいんだ――そう吐き出すように告げる菊理の身体を明はただきつく抱きとめてやった。

「知ってる。本当は……ずっと、知ってた」

 明の眦からも一筋の涙が零れた。

「だから……ごめん。ごめんなさい、でも……ありがとう、菊理。あの時の、あの頃のオレを好きだっていってくれて」

「アキラくん」

 菊理もそっと、それでいてきつく狂おしく明を抱きしめ返してくる。

「……もう還る場所がないのなら、くくりはアキラくんに還りたい。連れて行ってくれるんでしょう?」

「……うん。お前がいた記憶も記録も、オレが全部覚えているから。だから一緒に行こう、菊理」

 腕の中の菊理が頷く。菊理は小さく微笑むと明の手を取って立ち上がらせてくれた。

「行こう、アキラくん」




『――メイくん!』

 自分の名を呼ぶ鋼の声が耳に飛び込んでくる。

 眼前には、この瞬間を予期していたのだろう――飛翔した紅い機体〈大喰らいタオティエ〉が待ち受けていた。

 黒竜の胎内に取り込まれた明は菊理の意志で、今再び竜の体外へと転移していた。

「少し時間がかかってしまってごめんなさい、お師匠さま……ジャヤ――」

『ああ。だが、きみは戻ってきた。きみ自身とククリちゃんの力で。だから、僕は僕の役目を果たそう』

「……はい!」

 紅き機体の奥でジャヤが力強く頷いているのが視える気がして、明もそれに倣う形で頷き返す。覚悟はとうに決まっていた。菊理のため、そして自分自身のために今できることをする。ただ、それだけ。

『アキラくん……』

 黒竜がおずおずと踏み出し、頭上から生え出た菊理の半身が明を抱き竦めた。

 邪竜は崩壊寸前の姿で、あちこちから腐肉や妖魔を取り込んで成されていた体が零れ落ちつつある。菊理の半身も、もう長くはもたない。

 明も菊理の背中に腕を回し、きつくその体を抱きしめる。今まで誰にだってこんなに心のこもった抱擁はくれてやったことがなかった。

 明は強く、そしてどこまでも優しく菊理を抱いていた。

「行こう、菊理」

『うん……くくりはあきらくんに還りたい……』

 明は抱擁と共に、自らたずさえた短剣で菊理の胸を貫いた。一瞬目を見開いた菊理が、それでも優しく、そしてこの上なく幸せそうに微笑む。

「――ジャヤ! 宝玉を貫け!」

 明は声高らかに、そしてまっすぐに告げた。

 〈大喰らい〉は――ジャヤは一切の躊躇なく、黒竜の宝玉に剣を突き立てた。突き出た刃が抱き合ったままの二人の胸を貫いた。

『……ただいま、あきらくん』

「おかえり、菊理……」

 蒼空に向かって墜ちてゆくあの日の光景が甦る。

 あの時つかまえて抱きとめられなかった体を、明は今度こそしっかりと抱いていた。

 二人は頬を寄せ合って笑った。

 互いの鼓動を感じ、同じ夢に墜ちてゆきながら、明はゆっくりと目蓋を閉じた。

 黒竜の体が灰と化し、風に流れて攫われてゆく。

 屠龍師や探索者たち――共に戦った戦士たちが歓声を上げ、互いを讃え合う。

 しかし、その中で、ジャヤは、ルシャは、トワイライトは、ハルは、胡は。

 灰と化して崩れゆく少年の上半身を抱いたまま息絶えた少女の姿に見入っていた。

 それは死と呼ぶにはひどく美しく、儚い夢のような光景だった。


 §


「……あっ――」

 長い夢を見ていた気がする。

 そして、そこから引き千切られるようにして目が覚めた。

 身を起こそうとして、叶わなかった。どこか見覚えのある計器や何かに繋がれ全身が拘束されていたからだ。

 でも、それだけではなかった。誰かが腰に跨り、内外から激しく明を揺さぶっていた。

 淡白い雪肌に白衣だけを纏った男が、明の奥深く――肉の内側を穿ちながら、艶然と微笑んだ。毒々しいが、今までに見た誰のものよりも美しい貌だった。そいつが動くたびに長い黄昏色の髪が裸の胸に触れた。

「ン……あれぇ、起きちゃったァ? おっはァ~。どうだ、最ッ高のお目覚めだろォ? アキラちゃん」

 内側に開いた穴を穿つ調子が強くなる。

 掻き回され、蕩かされている。ひどくおぞましい感覚だった。でも、それでいてひどく狂おしい感覚。

「いっ――ぎっ――ぐ、あッ……」

「おれは呪医のトワイライト。オマエの執刀医でご主人様だよ、アキラちゃん」

 剥き出しの肌の上に汗と体液が滴る。零れる笑みと吐息。それすら美しいと思える、異形の美貌。

 そいつは懸命に明の上で何かを行っていた。

 何か。何を――知りうる言葉で言えば、治療。それも手術のようだった。

 そう、〈転生〉のための手術。この世に再び生まれ変わるための手続き。

「……いちいち、名乗らなく、ても、覚えてる、よ、ばか」

「そ、か。おれがわかるんだァ、アキラちゃん」

 明を穿ち、そのはらわたを引き裂き、何かと入れ替えつなぎ合わせていた男が歪んだ笑みを浮かべる。

 泣き出しそうな、それでいてひどく優しげな笑み。

「あっ、ぅ……あッ、これ、なんとか、なら、ないのか、痛い、し、気持ち悪い。いつも、みたいに、も、少し、優しく、しろ……」

 異界の生物じみた肉塊と悪夢のような触手の群れや竜のものと思しき器官を明につなぎ合わせ、融合させていた男は一度手を止めて明を見た。

 その血まみれの手指が明の頬に触れた。

 ――温かくてしなやかな指。

 覚えている。オレはこの手を覚えている。

「やだ。アキラちゃんったらおれには内緒であんな捨て身の作戦考えて、やってのけちゃうんだもの。だから、これは黙ってた罰」

「ッあッ、ぅあぁあッ、ん」

 明の下半身を穿つ調子が荒くなり、明もそれに辛うじて腰と呼べる下肢を絡ませていく。

「……アキラちゃん、おれの名前、呼んで」

「あっ……は、ぁ……トワイ、ライト」

「もっとちゃんと、呼んで」

「トワイライト」

 明を組み敷いていた男は――トワイライトは手術の手を止めて明の首筋に顔を埋めた。

「アキラちゃんがおれを覚えていてくれてよかった。戻って、きてくれて……よかった」

 明からはトワイライトがどんな顔をしているのか、わからなかった。けれど、首から肩にかけて伝う温かい感触を確かに感じ取った。

 明は手術台に寝そべったまま黄昏色の髪をくしゃくしゃと掻いてやった。声を出すのも苦しいが、一言。今言ってやらなければならないことを思いついた。今じゃなきゃだめだ。だから、精いっぱい言葉を紡ぐ。

「まだ、お前……には、責任……取らせてないから」

「責任? きみを〈転生〉させたことなら、この先ぜったいに」

「それもあるけど」

「え?」

「……オレを女に、した……ちがう、か……オレをおまえの女にした責任、取ってもらってない、から。だから、戻った」

「……え?」

「その、だから……」

 互いに見つめ合って、その頬が同時に紅潮してゆく。先に目を逸らしたのは明の方で、トワイライトは意味ありげな目をして明の顔をのぞき込もうとする。

「ねえ、もっかい。ちゃんと聞こえなかったから、もう一回言って?」

「絶対、や、だ! ッ、あァっ、ふ、くあぁあッ」

 明を穿つ調子が強くなる。トワイライトが再び動き、手術を再開していた。

「それじゃ、アキラちゃんが素直になるまでいっしょに気持ちヨくなろっか?」

「ん……」

「そうしておまえは生まれ変わる。おれがオマエを生まれ変わらせてやる。何度でも。そして、生きろ。この世界で」

「あっ……んぅっ……」

 それは真剣に紡がれる祈りのような言葉だった。

「アキラちゃん。ましろ、あきら――」

 ひょっとすると呪文かなにかだったのかもしれない。

「オマエは何度でも生まれ変わる」


 §


 竜骨都市第×××層、〈竜墓〉――。

〈白糸菊理〉――先の黒竜へと転化し災厄をばらまいた個体、その残骸に潜っていた屠龍機の一群〈探索者シーカー〉、そのうちの一機が発煙筒を振るって仲間に合図を送る。

『目標物発見。繰り返す、目標物を発見した』

 その周辺に複数の機体が舞い降り、目標物と呼称されたものを囲む。それは朽ちる前の竜の骨格と、そして竜玉によく似た残骸だった。

〈探索者〉を率いているのは黒くしなやかな獣型の機体――〈黒き監獄守ビィアン〉だ。

『……やはり、遺留物はこれか。となれば適格者は一人、だな』

 ルシャは目標物――竜核と呼ばれるそれを見下ろし、一人でに呟いていた。

『さて。どう出る、長命竜……アシェラガランよ』


  §


 地下迷宮、第七層〈昏き涙の湖トロメア〉にて――。

 破砕音。飛び散る黒と砂色。巨大な戦槌が地面ごと悪鬼どもを叩き伏せる。

 叩き潰された鬼どもはしかし、すぐに霧散して元の形を取り戻す。そこに再び一撃が見舞われる。

 繰り返し破壊されども無限増殖する蝙蝠の翼。黒い血が膨れ上がり、すぐに人間じみた形をとる。

 そいつら――悪鬼どもが動き始め、牙を剥かんとする前に横合いから思いきり殴りつける小さな屠龍師の姿があった。

 相貌は迷宮深部潜行用マスクを装着しているために不明。細く華奢な体躯のそいつはしかし、常人ではありえない膂力でもって蝙蝠人間どもを圧倒していた。獲物は漆黒の戦槌。昏く、それ故にようやく輪郭だけを視認できるほどに黒く固められた超大型の槌だった。

「どっせーい! 似非吸血鬼ってぇ! しつこいっ、から! 大きらーいっ!」

 それでも形を取り戻して襲い来る蝙蝠族を殴り、すり潰し、圧死させて立ち回りながら、もう一人――後方に控えていた影に合図を送る。

「そろそろだよ~、ジンくん!」

「……〈冥霧〉」

 控えていた聳えるような体躯の屠龍師が印を結ぶ。

 霧めいた物質が辺りに立ち込め、蝙蝠人間――悪鬼ごと彼らを包む。するとどうしたことか、彼ら以外のすべてが砂のごとくに崩れ去った。

「ふぃ~、途中はどうなることかと思ったけれど、すっきりさらっと片付いたね!」

「なにがすっきりさらっと、だ。てめえが巣をつついたりわざと奴らを刺激したりして、いらんことしたから大事になりかけたンじゃねえか! 次やったら逆さ吊りにして擽り殺すぞ」

「いいじゃ~ん。だって、どのみち無理くりにでも殲滅しないと地上の〈邪竜アンノウン〉の呼ばわりに応えた奴らが浮上&顕現して、ルシャちゃんたちが大変なことになるとこだったんだからさぁ」

「そりゃ……まァ、そうだがね。限度があンだろ」

「はぁい、次の課題にしとくよ」

 小さな方の屠龍師はひらひらと片手を振った。

 そしてあたりを矯めつ眇めつ眺めると、僅かに形が残る砂の塊を踏みつけ、砕く。

「さて。今回はこうして〈おまえらはすべて片付くまで七層に残れ〉というトワイ先生の采配が的中したわけだけど……あのひとはいつもすべてお見通し。まるで邪竜のことはおろか先の転生者救出まで、おおよそすべて最初からわかっていたみたいじゃないの。これはキナ臭い。そしておおいに興味深い、わよね?」

「……で、どーすんだ? どうせてめえのことだ、もう考えていやがるンだろ」

「もちろん。ぼくはすべてをこの目で確かめて、そして決める」

「ったく。てめえもてめえで面倒くせえ野郎だよ」

 長身の男の言葉に苦笑したように小さな影は肩を竦める。

 地下迷宮の風が砂を巻き上げて上層へと攫っていく。見上げた竜骨都市深部には太陽の祝福も届かない。けれど、何か眩しいものでも見るように影は目をすがめた。

「さて、と。なにはともあれ此度の七層保守はひとまず終了だ。戻ろうじゃないか、ぼくらの家――〈紅燈籠ホンタンロン〉へ」


  §


 半月後。

 中元節が終わり、陽射しもほんの少しだけ柔らかく、そして夜がだんだんと長くなりはじめた頃。

「今日の依頼は地下迷宮第四層・シャグラン監獄地帯に沸いた不死者どもの退治だ。通常の怪異とは勝手が違うことは各々知っておろうが、心してかかるように」

 地下迷宮へと続く昇降機乗り場に集まった〈紅燈籠〉のパーティは、いつものように潜行前のミーティングを行っていた。

「不死者って面倒くさいし陰気だから、きらいなんだよね。すぐ死ぬわりに蘇るのがやたら早いし、あとなんか臭い」

「ジャヤさん、わがままはだめですよ。あとそれ半分悪口ですって」

「こやつに言っても無駄なのじゃ。獲物を選り好みして、結果より面倒な方向へ突っ走っていくし」

 現在、彼らは先に出現した黒竜の邪気に中てられ地の底から這い出た魔物の退治を中心に行っている。

 竜が去ってもその後処理は多く残され、屠龍師が借りだされることもままあるのだ。

 竜骨都市は復興の只中にあり、崩れた中枢部や第三層の家屋の修繕が急ピッチで進められていた。

 市骸区は損壊を受けてはいても相変わらず喧噪に満ちていて、迷宮商人はがめつく商売を続けているし、探索者たちは今日も地下迷宮や市骸区外の冒険に明け暮れている。

「さて。あの二人はまた遅刻か?」

「まあまあ、まだ病み上がり……ですし?」

「トワイの方は知らぬがの。あらかたまた朝の房事が大切ゥ! などとほざいているんじゃろ」

「ん? ハル、やきもちかい?」

「……ジャヤ~。おぬしはいっつも余計なことばかり気がつきおってからに!」

「そうかな。全然痛くないなー」

「このっ、なんのっ!」

「やめないか、二人とも」

 ハルがぽかぽかとジャヤの腰を叩くのを諫めつつ、通りの向こうに視線をやったルシャはそこに仲間の姿を見つけ、思わず笑顔になった。

 明とトワイライトがルシャたちのいる方にむかって駆け寄ってくる。

 彼らに気づいたジャヤたちも同様に温かな笑みを浮かべた。

「すみません! 遅くなってしまって……」

「アキラちゃんったら今朝はなんだか超激しくておれのアレを何度もぶごふっ!?」

 出会いがしらのジャヤの一発がトワイライトの無駄口を無理やりに塞いだ。異形の美貌にめりめりと五指が沈む音が漏れ聞こえても、最早誰も気に留めることはない。

「やあ、いい朝だね。トワイライト」

「ンーッんんンーッ!?」

 背後の攻防を無視しながら、明は朗らかな声と表情で挨拶をした。

「おはようございます。ジャヤ……お師匠様!」

「おはよう、メイくん。迷宮潜行は久しぶりになるけど、体は大丈夫かな?」

「……はい。今日に備えてリハビリとトレーニングを重ねてきましたし、トワイライトの見立てでは魂魄と肉体も無事に馴染んできているということですし……大丈夫、です」

 明は先日の黒竜事件によって、結果的に二度目の転生を遂げていた。

 一つの命を白糸菊理のために捧げ、文字通りその身を砕き、少女の魂を救済するに至ったのだ。

 転生はトワイライトの手によって行われ――ジャヤの一撃が非常に的確であったこともあり、明の〈生まれ変わり〉は問題なく完了した。

 今日まで迷宮潜行は控えていたが、晴れて解禁し、これからは再び仲間と共に探索と魔物退治にあたることになっている。

「全員揃ったな。よし、これより第四層に向かうぞ」

「あ! あの、ルシャ。みんなも……ひとついいですか」

「どうしたんです?」

「なんじゃ、云うてみろ」

 明は外套の下から、一匹の生き物を外に放った。

 小さな翼を生やした蜥蜴のような可愛らしい生き物――それは竜の幼体だった。

「竜の幼生体!? アキラ、こんなものを何処で……」

「わたしが転生を遂げたとき、その子を一緒に抱いていたそうなんです。……それで、なんかその……もしかしたら、菊理の生まれ変わりみたいなものなんじゃないかって。そうじゃなくても、あいつが残した最後の願いか、でなければ呪いのようなものなんじゃないかって思って」

「願いと呪いか。なんだか面白いね」

 珍しくジャヤが興味深げに頷く。一同の回りをくるりと飛んで、竜の幼体は明の傍に舞い戻った。そいつは人懐っこく明の頬に触れながら、ぱたぱたと羽を動かしている。

「それで……もしよかったら、こいつも一緒に連れていってもいいかなって。……いえ、連れて行きたいんですが、お願いできませんか? この世界を――この世界がどんなに素敵で祝福に満ちているか、絶望じゃない何かをこいつにも見せてやりたいんです」

 ルシャは少し考え込むような仕草をみせ、胡はそんなルシャの様子をどこか面白そうに眺め、ハルは笑顔で明を見ている。トワイライトはようやく起き上がり、ジャヤはいつもの飄々とした顔で頷いた。

「いいんじゃない?」

「妾は異論はないぞ。なにより可愛らしいしの! まあ、パーティのマスコットの座は譲れぬが!」

「鉱物色の竜とは縁起がいいですねぇ。あとでスケッチさせてもらってもいいですか?」

「うむ。本来、人と竜とは隣ながら生きていく存在であるしな。いいだろう」

「まだちっさいンだし、しっかり守ってやれよォ。アキラちゃん?」

 全員の返事を聞き、明はようやく安堵して笑みを浮かべた。内心、受け入れてもらえるか、ずっと不安だったのだ。

「……はい! よろしくお願いします」

 思い切り返事をして頭を下げる。ジャヤの大きな手がぽんぽんと明の頭を撫でてくれた。

 顔を上げると、それぞれ希望に満ちた仲間たちの姿があった。

「それじゃ、出発だ」

 ルシャの号令で、全員が迷宮へと向かって歩きだす。

 明も抑えきれぬ喜びと、そして希望を胸に、後に続いた。  





 第一部 竜には九つの魂がある 〈了〉


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