12月14日 ビールの作り方

 さて、せっかく原材料を調べてみたので、ビールの作り方も調べてみました。


 おおまかには、


① 麦を麦芽にする

② 麦芽を麦汁にする

③ 麦汁にホップを加えて煮沸

④ 麦汁を発酵させて若ビールにする

⑤ 熟成を経てビールになる

⑥ 熱処理・ろ過・瓶詰め


という工程を経てビールが出来上がります。


 うーん。わかったようなわからないような……。




 これから順を追ってご説明していきます!



 ビールづくりは麦を水に浸し、麦芽にするところから始まります。

 芽が出ることで麦芽の中に酵素ができて、麦に含まれるデンプンやタンパク質を分解できるようになります。


 乾燥(焙燥)させて芽の成長を止めてから、根をとり除いて麦芽の完成です。

 黒ビールなどの場合は、このあとに焙煎の工程が加わります。



 こうしてできた麦芽を粉砕装置で砕いてから、お湯と一緒に仕込釜に入れて加熱し、どろどろのお粥状にしていきます。


 麦芽の中の酵素の働きで、デンプンは糖に、タンパク質はペプチドとアミノ酸に分解されます。このアミノ酸がビールの味にコクを出すだけでなく、酵母の栄養にもなります。


 このお粥状のものをろ過して、麦の殻を除去します。

 これが麦の甘い汁――麦汁です。

 味は甘い麦茶のようらしく、ちょっと気になるところです。



③ 

 煮沸釜に移した麦汁にホップを加えて煮沸し、ビール特有の芳香と苦味をつけます。

 熱で固まった不純物をろ過してから冷却します。



 次はいよいよビール酵母を加えて発酵タンクへ。

 糖・アミノ酸を栄養にして発酵が進み、糖分はアルコールや炭酸に分解されます。


 ちなみに、酵母は酸素があると、呼吸をして二酸化炭素(=炭酸ガス)と水を生み出します。

 一方で、酸素がないときに起こるのが発酵で、二酸化炭素とアルコールを生成します。


 発酵が終わると酵母は取り出され、また次のビールづくりに使用されます。



 発酵が終わると、若ビールと呼ばれる状態になりますが、このままでは発酵でできてしまった余分な成分が多くて飲用には適さないそうです。


 余分な成分の代表格として挙げられていた『ジアセチル』を調べてみると、ミドル脂臭の原因になる物質だとか。たしかに食品には向かない成分な気がしますね。


 これらの成分が、熟成を経て変化したり抜けたりすることで美味しいビールになっていきます。



 出来上がったビールは熱処理やろ過をしてから瓶詰めされます。


 低温殺菌はビールの三大発明のひとつと言われていて、ビールの保存期間を飛躍的に伸ばしたのだとか。

 ドイツの古いことわざに『ビールは醸造所の煙突が見えるところで飲め』というものがあるくらい、昔は香りや味を保てなかったそうです。


 一方で、近年はろ過技術が発達して加熱しなくても品質的に安全なビールを作れるようになりました。

 生ビールの『生』はこの工程で加熱処理をしていないことを指しています。


 さらなる技術の発達で、絶対的だった技術を使わなくても大丈夫になっていく過程が格好いいですよね。


 生ビールは加熱処理していないことを売りにしたビールですが、ろ過していないことを売りにしたビールもあります。

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