12月19日 オクトーバーフェスト

 ビールの祭典オクトーバーフェスト!

 九月中旬から十月頭にあるお祭りで、バイエルン地方の首都ミュンヘンで二週間に渡り開催されます。


 六つの公認ブルワリーの大テントを始め、いくつもの出店や移動遊園地が立ち並ぶ賑かなお祭りです。


 その会場の広さは東京ドームの約九倍もあり、総座席数はなんと十万。

 大きなテントは一つだけで一万席もあります。


 使われるのは基本的に一リットルジョッキで、期間中に飲まれるビールは七百万リットルにもなるのだとか。

(※ 2019年の消費量は七百三十万リットルだそうです。2020、2021年はコロナウイルスにより中止)



 お祭りの初日と二日目にはパレードがあります。

 一日目の開幕パレードの先頭は馬に乗ったミュンヘン市長とミュンヘンの市章ミュンヒナー・キンドル(修道士)に扮した女性。

 その後に、飾り立てたビール樽を引く馬車や、醸造所の職人や家族の乗った馬車、伝統衣装を着た楽団などが続きます。


 正午、パレードが会場にたどり着くと、市長が最初のビア樽に木槌で蛇口を打ち込み「樽が開いたぞ!」の声をあげ、祭りが始まります。


 初めてのオクトーバーフェストは1810年で、当時の皇太子の結婚祝いから始まりました。

 九月中旬から始まるお祭りがオクトーバーフェストという名前なのは結婚祝いの日が十月だったからです。

 ドイツの十月は寒さが厳しいことから、九月に移行していったそう。


 意外にもビールを売り始めたのは、1880年からで小さなテントから始まりました。次第に規模が大きくなり、1910年には既に今のメインテントよりも大きい一万二千人規模のテントが使われていたそうです。



 また、十月に新しく仕込むビールのために、中身の入った樽を空けられることもメリットだったようです。


 冷却設備のなかった昔は、十月からがビールの醸造シーズンの始まり。オクトーバーフェストでは、醸造シーズンの終わりの三月に造ったビールを開けて乾杯していました。


 この三月に作るビールは暑い夏を越えて保存できるようアルコール度数を高めにする他、殺菌作用のあるホップを多めに入れるのだとか。


 八本目にご紹介したメルツェンがこの三月のビールにあたります。

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