第5話 反逆者!?
リリの胸が本人より大きく巨大化する。だがすぐに萎み元の大きさへと戻った。助けられた彼女はキッと助けたアクトを睨む。
「アクトお前ェ! もっとまともな助け方あんだろ! 何で胸を大きくしたんだよヘンタイコラァ!」
「フン、たまたまだ。所詮過程などどうでも良い。結果が全てということさ」
冷静に軽いストレッチを挟み、首をぐるんと回してアクトは続ける。
「どうやらこの能力、それなりに応用が利くらしいな」
手元に何枚かシールを取り出し、姿勢を低く構え、アクトはほくそ笑みを浮かべる。
「まずは肩ならしで……」
彼が首をポキポキとならしすぐさま構え、自信に満ちた笑みを浮かべる。
「この教室を救い出すとするか!」
「「「ウキキー!!」」」
弾き飛ばされた猿人間達が彼へ飛びかかるが、彼は走り出し猿達の隙間をくぐり抜けていく。そのままべつの猿に取り押さえられた女子生徒へ近づき胸元にシールを貼る。更に側転して捕まった女子の胸にシールを貼る。そして隣の机を乗り越え女子生徒の胸にシールを……そして更にダッシュのあとスライディングで女子の胸にシールを――
「な、なんだあの黒いパーカーの奴!?」
「猿から逃げながら女子の胸触ってまわってるぞ!!」
「サイテーダ!!」
彼の行動に気付き始めた生徒達の動揺は無視し、乱暴なことをされそうな女子生徒達へ一通りまわったアクトは、どこで練習していたのか華麗なバク転を見せ教室の中央へ躍り出る。
前も後ろも猿達に囲まれたマスターアクトは片手をポケットへ突っ込み、もう片手は天井へ掲げニヤリと笑みを浮かべる。
彼の無防備な姿に一匹の猿が襲いかかった、その瞬間――
「フハハハハ、ひれ伏せ小猿ども」
アクトが指をパチンと鳴らす。
「スキルⅠ:
謎の技名が木霊したと同時に捕まっていた女子生徒達の胸が一斉に巨大化した。
「「「ウッキャアアアアアア!?」」」
低速度撮影で見ると突然大きくなった胸が猿の顔や身体を飲み込み凄まじい反発力で退けられていく。猿達は壊れた竹トンボのようにきりもみしながら地面や壁に叩きつけられた。
「
彼は決めポーズをみせ猿人間達から女子生徒達を解放した。女子生徒達の胸は元のサイズに戻るが自分達の身体に何が起こったのかわからず硬直している。
「何をボーッとしているんだ! 俺より後ろへ下がれ! 男達も手伝うんだ!」
アクトの号令に皆がハッと我に返り女子達はアクトの後ろへ移動し、腰が抜けて動けなくなっている子は男子達が急いで助けた。
「うう、いたた……もうマジ無理」
「リリス、腰を押さえてどうした!?」
「さっき教卓から落とされた時に腰打ったぁ……」
「フ、悪魔も腰を打つのか。面白い」
「うるせぇ! 笑ってんじゃねぇぞおい! もう、ここに来てから踏んだり蹴ったりだよ! ああああ早く帰ってブルーレイみてぇえ!!」
半泣きのリリをアクトは庇いながら後ろに下げる。クラスメイト全員がアクトより後ろの壁際に待機した所で、猿人間達は起き上がる。
「「「キーッ! キキーキッ!!」」」
猿達は明らかな怒りの犬歯をむき出し、じだんだを踏んでいる。
「わめくのも終わりだ、サルども」
膝を曲げ、シールを沢山貼り付けた右の手の平を前へかざす。標準を合わせ右腕のブレを押さえるように左手で固定する。
「応用! スキルⅡ:
彼の謎の掛け声と共に左手が一気に肥大化。机と椅子ごと猿達を黒板まで押し込み叩きつける。
「「「ギャアア!!」」」
教室の隅に追いやられ潰される猿達。
アクトの手が縮小し元に戻すと、あらかじめ手の平に付けていたのか無数のシールが猿達の身体に貼られていた。
「さあ、仕上げとしようか! スキルⅠ!」
アクトは悪魔のような笑みを浮かべ指をパチンと鳴らす。すると、猿達の股間がタヌキアニメのように大きく膨れ上がった。
「「「ウキャ!?」」」
直径60cmのバランスボールを2つを股間に抱えた状態でボールの上に乗ってしまう猿達。自分達の下半身の変化に足が着かずパニックを起こしジタバタともがいていた。
「
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